五戸川
青森県
十和田湖を取り巻く外輪山の東の縁、十和利山(990メートル)に源を発し、新郷村から五戸町の倉石を抜けて東へ流れ、八戸市の市川で太平洋に注ぐ川。流路延長およそ50キロ、流域面積240平方キロあまりで、東西に細長い流域をもつ。北どなりは奥入瀬川の流域で、上流部は十和田八幡平国立公園に接している。支流には妙返川、三川目川、前田内沢川、堤沢川などがある。 上流の二の倉ダムより上は、ほとんどが手を入れていない自然のままの川筋で、瀬と淵が交互に続く。川辺にはヤチダモ、トチノキ、オノエヤナギなどが茂り、戸来岳のふもとには学術的に貴重なイチイやコメツツジの群落、ダムの上流には水芭蕉の群生地がある。流域でブナの天然林が残っているのは十和利山のまわりだけで、ほかはスギやアカマツの植林と牧草地に変わっている。ダムより下流は改修を受けた川だが、ヤナギやヨシ、ツルヨシの緑が川べりを覆っている。 県の調査では、エゾイワナとヤマメは二の倉ダムの前後から倉石の戌橋のあたりまでで確認されていて、ここが渓流釣りの範囲にあたる。戌橋から下はアブラハヤ、ドジョウ、ウグイ、ギンブナが主役になり、河口の汽水域にはアメマスが入り、秋にはサケが上ってくる。サケはどの川でも釣ることができない。 最上流は国道454号を十和田湖の方へ詰め上がった一帯で、クマザサが川面にかぶさるような源流になる。竿を50センチほどしか出せない提灯釣りで小さなイワナが続けて出た、ほとんど人が入っていない、という記録がある。源流の目安として迷ヶ平の真下を挙げる地元の釣り人もいる。中流は田んぼのあいだを流れる里川で、倉石の又重地区では尺を超えるイワナ、川原町では解禁直後のヤマメ、中流の夕まずめには30センチを超えるヤマメが上がっている。38センチのヤマメや40センチのイワナの記録もある。 一方で、魚影が薄い、型が小さいという声も地元から出ていて、年による当たりはずれが大きい。水量の少ない川なので、梅雨明けから真夏の渇水期は下流のポイントが消え、田植えの代掻きの時期は濁る。台風のあとの濁りが一か月も引かず、そのまま禁漁期に入った年もある。放流されたニジマスが川で大きく育っていて、48センチ、53センチ、60センチといった記録がある。本来この川にいないはずのブラウントラウトも釣れていて、地元の釣り人は持ち帰って減らすようにしている。 この川には内水面の漁業協同組合が置かれていない。代わりに、新郷遊漁会や五戸倉石遊魚会、青森県南のルアーとフライの集まりである疑似餌倶楽部ラフィング、五戸町と県でつくる「魚にやさしい五戸川の環境づくりを進める会」といった地元の団体が、何十年も放流と河川清掃を続けてきた。イワナとヤマメの稚魚、アユの稚魚、そして秋に埋めて冬に孵すサクラマスの発眼卵を入れていて、倉石地区ではヤマメの自然産卵も確認されている。漁協が無いからといって無料で釣れる川ではなく、地元の遊漁会が釣り券を出しているので、入る前に現地で確かめたい。 2023年の夏には切谷内と佐野の落差工に魚道がつけられ、翌年に弘前大学が行った調査で、天然のアユをはじめ8種150個体が遡上することが確かめられた。海とつながりを取り戻しつつある川で、放流の成果もこれから出てくると期待されている。 上流の迷ヶ平から県境にかけてはクマの出没する地域なので、鈴などの備えをして入りたい。「五戸」で検索すると馬肉やえんぶり、五戸まつりの話に埋もれるので、川の名前には新郷村や倉石を添えるとよい。
釣行記32


青森県の『遊漁券』と『遊漁券がいらない川』についてうおと|青森生まれの穴釣り師










新郷・五戸川でニジマス釣り大会 環境美化お手伝いもなびたび北東北
動画1
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