渓流手帖

井田川

富山県

神通川にそそぐ最大の支流で、岐阜県境の白木峰と金剛堂山の水を集め、八尾の町を抜けて富山市の婦中町で神通川に合わさる。白川渓一郎は河川案内で「神通川水系における最大の釣場は井田川水系であろう」と書いていて、山田川と百瀬川、室牧川と大長谷川、野積川、久婦須川と万波川をひとつのまとまりとして扱っている。 八尾の町のあたりで、井田川は久婦須川・別荘川・野積川・仁歩川・室牧川に分かれる。このうち久婦須川と室牧川にはダムがあるので、まとまった雨が降っても水位の上がり方がゆるやかで、ダムを持たない野積川・別荘川・仁歩川のほうが先に増水して濁る。どの支流に入るかを決めるときの目安になる、地元の釣具店が書き残している見方である。 本流そのものは富山平野に出てからの広い瀬が中心で、渓流魚を狙う川ではない。春はサクラマスが海から上がってきて、夏はアユの川になる。渓流を目当てに来るなら上の支流に入ることになる。本流に入る人は春のサクラマスを渓流竿やルアーで狙う地元の釣り人が中心で、五十センチから六十センチの記録が毎年のように上がっている。 この川のもうひとつの特徴は、下流に取水のための堰が連続していることである。合口頭首工、大坪用水の取水堰、新田用水の頭首工が順に並び、どれも魚道を備えているが、用水の取水が始まるとゲートが下ろされて魚道に水が回らなくなることがある。地元の釣具店が十年以上にわたって毎朝の川の様子と魚道の通水を記録してきていて、遡上する魚がどこで足止めされるかが読める、珍しい川になっている。合口のラバーダムは大雨のときに自動で倒れ、その前後で川相が変わる。 水の様子を見るときは、八尾町福島の杉原橋が目安になる。流域の八尾は九月はじめの「おわら風の盆」で知られる町で、石畳の坂道と胡弓の音が川の両岸に広がっている。下流で合わさる合場川と山田川、仁歩川には釣りの記録がほとんど残っていないので、このサイトでは川として独立させていない。 名前の注意。三重県亀山市と広島県にも井田川があり、青森県八戸市と山形県酒田市の新井田川(にいだがわ)は字が似ているので検索が混ざる。井田川アリーナや井田川小学校は三重県側の施設である。

管轄漁協:婦負漁業協同組合

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支流・沢5

釣行記338

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