渓流手帖

釜川

新潟県

大佐渡北端の分水嶺から、北小浦の集落の南端に流れ出る川。分水嶺をはさんで外海府の大ザレ川や泊川の反対側に位置する。 同名の釜川が津南町(信濃川水系)にもある。高木国保『我が山釣りと山菜への誘い』に出てくる「秘境 釜川」はそちらなので、混同しないこと。 この川の見どころは名前の由来でもある釜である。河口から600メートルほど進むと大きな釜が5つ、小さなものを含めれば七ツ釜と呼べる連なりが現れる。「ちょっと佐渡では他にはない」場所で、深い釜には三脚の1.8メートルが底に届かないものもある。 堰堤が一つも無い。下流に北小浦の集落があるのに堰堤が無く、隣を流れる北小浦川が堰堤だらけであることを思うと理由が分からない、と書き手は書いている。堰堤が無いので海からアメマスが遡上してくる。背びれの先が黒い降海型の岩魚が下流部で確認されている。 2023年3月には最後の釜で38センチ、2026年3月には下流の釜で29センチ、高巻いた先の上流で25センチが続けて出た。 入渓は北小浦漁港に車を止め、川の右岸から続く林道を100メートルほど進んで左にカーブする地点から。下流から遡行することもできる。最後の釜には左岸にフィックスロープが掛かっているが、急斜面で危険なので当てにしないほうがよい。通らずの淵は左岸の斜面を直登すると杣道があり、それをたどって上流に降りられる。釜川はどこまで行っても釜のある川で、水道水の水源地がある沢の手前まで釜が続いている。 右岸の水路沿いを歩くと下流の田んぼに戻れる。水路は今も毎年、壊れた箇所を直しながら田んぼに水を引いている。 黒姫川より北の川は、県の二級河川台帳に一本も載っていない。書き手が新潟県の河川管理課に理由を聞いたところ「河川法で管理する川ではなかっただけで特別な理由はない」という答えだったという。台帳に無いことと、魚がいないことは関係がない。 この川に漁業協同組合は無く、第五種共同漁業権も設定されていない。新潟県の内水面漁場計画で佐渡島に置かれている漁業権は内共第22号の羽茂川ただ一つで、内海府の川はすべてその外にある。したがって遊漁券は要らない。2018年2月23日に国府川漁業協同組合が解散して以降、佐渡の内水面漁協は羽茂川の一つだけになった。 ただし管理する母体が無くても新潟県内水面漁業調整規則は県内のどの川にもかかる。いわなとやまめは10月1日から2月末日までが禁漁で、解禁は3月1日。全長15センチ以下は通年で採捕できない。放流をする組織が無いので、釣れる魚はすべて自然に再生産されたものである。数が限られているので、持ち帰る数は自分で決めるほかない。

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