渓流手帖

上市川

富山県

早乙女岳の斜面に発し、上市町を抜けて滑川市で富山湾に注ぐ二級河川。立山連峰の西面を流れ下る川のひとつで、流域は上市町のほぼ全域にあたる。もとの名を早乙女川(さおとめがわ)といい、江戸のはじめまでは法音寺と稗田の間を通って正印へ出て、川原田で白岩川と合わさっていた。明暦元年の大洪水のあと、地元の肝煎だった正印次郎兵衛が流路を東の郷川筋へ付け替え、上市川と白岩川を別々の川にしたと伝えられている。上市平野の田んぼは、この付け替えと用水の開削で生まれた。 釣り場としては、下流の釈泉寺合口えん堤までとその支流の郷川が組合の受け持ちで、対象はヤマメである。えん堤から上流には別の組合があったが、いまは無くなった(下の「組合のこと」を参照)。 水の事情が釣りを決める川でもある。上市川ダムの下流は五月ごろまでは水があるが、それを過ぎると用水に引かれて流れが細り、竿を出せる場所が限られる。渓流の釣り場は上市川第二ダムから上流で、バックウォーターのあたりで小又川と千石川に分かれる。どちらも砂防堰堤が連なっていて、堰堤下の溜まりを拾っていく釣りになる。型は20センチ級のイワナが中心で、堰堤が多いぶん釣趣には欠けるという評もある。 組合のこと。えん堤より上流は白龍漁業協同組合(上市町東種)が受け持っていて、イワナとニジマスを対象にしていた。受け持ちの範囲は、上市川ダムの上流端から小又川の合流点まで、小又川とその支流の後谷・白口谷、そして千石川の三枚滝までだった。この組合は清算を終えて2025年3月に登記が閉じられた。いまは上流部に遊漁料を納める先が無い。ただし県の漁業調整規則は漁業権の有無にかかわらず県内の全河川に及び、採捕してよい時期と大きさの決まりがあるので、出かける前に県の最新の案内で確かめておきたい。 歴史の話をもうひとつ。第二ダムの底には千石という集落が沈んでいる。平井保昌の子孫を名乗る家があり、火種を絶やしたことがないので近隣の村がもらい火に来たという話が残っている。 河口の滑川市側はキスとハゼの釣り場として知られ、渓流とはまったく別の顔を持つ。釣り具店の釣果情報に「上市川」と出てくるものの多くは河口のハゼ釣りなので、渓流の情報を探すときは上市川ダム、東種、千石といった上流の地名を足すとよい。

管轄漁協:中新川内水面漁業協同組合

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支流・沢1

釣行記14

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