渓流手帖

古川

新潟県

虫崎と北小浦の集落の間を流れて海にそそぐ小さな川。「ふるかわ」ではなく、地元では「こごう」または「こうごう」と呼ばれている。 NHKの「にっぽん釣りの旅」に登場した、釣り人には名の知れた川である。佐渡産の岩魚を研究した新潟大学の本間義治博士も、この古川と隣の釜川の岩魚をサンプルに採集している。 佐渡では珍しく堰堤が一つも無い。流域に集落は無いが、かつては下流にわずかな田んぼがあった。 虫崎トンネルを抜けた所に車を止め、河口から200メートルほどの地点で川に下りる。かつての畦道はイバラと蔓に覆われていて歩けないので、すぐ川に下りて遡行するほうが早い。2022年3月の調査では、入渓してすぐ銀ピカにスモルト化した山女魚が釣れた。河口から200メートルの地点なので、サクラマスが遡上していると見てよい。古い記事に「海岸線に堰ができたためサクラマスが遡上できなくなった」とあるが、河口付近を見渡してもそれらしいものは見当たらなかったという。 河口から900メートルで魚止めの滝が現れ、そこで終わる。小さな川ですぐ魚止めになるが、海からサクラマスやアメマスが遡上できる川である。27センチの良型も出ており、これも降海型かもしれないと書き手は書いている。滝までのコースタイムは虫崎トンネルから1時間10分ほど。 黒姫川より北の川は、県の二級河川台帳に一本も載っていない。書き手が新潟県の河川管理課に理由を聞いたところ「河川法で管理する川ではなかっただけで特別な理由はない」という答えだったという。台帳に無いことと、魚がいないことは関係がない。 この川に漁業協同組合は無く、第五種共同漁業権も設定されていない。新潟県の内水面漁場計画で佐渡島に置かれている漁業権は内共第22号の羽茂川ただ一つで、内海府の川はすべてその外にある。したがって遊漁券は要らない。2018年2月23日に国府川漁業協同組合が解散して以降、佐渡の内水面漁協は羽茂川の一つだけになった。 ただし管理する母体が無くても新潟県内水面漁業調整規則は県内のどの川にもかかる。いわなとやまめは10月1日から2月末日までが禁漁で、解禁は3月1日。全長15センチ以下は通年で採捕できない。放流をする組織が無いので、釣れる魚はすべて自然に再生産されたものである。数が限られているので、持ち帰る数は自分で決めるほかない。

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