渓流手帖

桑木沢

秋田県

栃ヶ森山塊の下鉢山の側から西へ流れ、唐松沢と二又を成して北ノ俣沢に合わさる沢。桑ノ木沢とも書かれる。この水系でいちばん遡行の記録が多い沢になる。2017年に入った沢屋は、成瀬ダム建設で今後ダムに沈む沢、秀渓が惜しまれる、と書いた。2019年、2020年、2021年と続けて別々の山岳会が入っていて、桑木沢を遡って栃川へ下り仙北街道をたどる周回や、唐松沢を下降する周回が組まれている。渓と森と水が美しい感動の周回ルート、という評価が並ぶ。釣りの記録もはっきり残っている。2020年にここを歩いた沢屋は、端正な姿の5メートルほどの美しい滝で同行者に釣りを勧めたところ、すぐに尺というのだろうかというサイズのイワナが釣れた、と書いている。仙北街道は秋田と岩手を結んだ古道で、この沢の源頭を越えていく。栃ヶ森山塊は焼石連峰と栗駒山に挟まれた標高1200メートルに満たない低山群だが、登山道がほとんど整備されておらず、流域周辺の開発も入っていないことから秘境の山域と呼ばれてきた。この沢は秋田県の内水面漁場計画のどの免許にも漁場の区域として名前が出てこない。第五種共同漁業権の設定がない区間になるので、遊漁券は要らない。ただし秋田県漁業調整規則の全県一律の規定は効く。イワナは15センチ以下が周年禁止で、15センチを超えるものも9月21日から翌年3月20日まで禁止。ヤマメは15センチ以下が周年禁止、15センチ超が9月1日から翌年3月20日まで禁止。サクラマスは1月1日から3月31日と9月1日から10月31日が禁止になる。漁協の管理する川が4月1日解禁なのに対して、漁業権のない川は県規則の3月21日から竿を出せるのがこの区間の性格になる。サケは水産資源保護法で全国どこでも周年禁止で、遡上する川であっても釣ってよいことにはならない。

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釣行記9

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