渓流手帖

増川川

青森県

津軽半島の北の端、竜飛岬に近い外ヶ浜町三厩(旧三厩村)を流れる川。津軽山地の鋸岳や増川岳のあたりから北東へ下り、津軽線の終点の三厩駅の脇を抜けて、三厩の増川の集落で三厩湾(津軽海峡)に注ぐ。流路はおよそ6キロと短いが、この地では大きな川で、上流は西股沢と南股沢の二つに分かれる(地形図では西股谷、南股谷と書かれる)。ほかに理右衛門沢などの沢が入る。流域は青森ヒバの国有林で、昭和の初めにはヒバ天然林の施業実験林が置かれ、森林鉄道の線路が奥まで延びていた。 水がとてもきれいで底石が豊富な川で、河口近くを除けばほぼ全体が渓流の姿をしている。津軽の釣り人には簡単には行けない秘境と呼ばれ、石と岩が入り混じる渓相は、津軽半島の川を釣り歩いた人が一番と書き残すほどである。中流には広い河川公園があり、そこを起点に上流へ釣り上がる人が多い。ヤマメの放流が盛んで小型の魚影がとても濃く、20センチ台半ばのヤマメに、イワナが混じる。春先には本流で尺を超えるイワナが出た記録もあり、雪代の落ち着いた4月から5月がよい時期とされる。夏にはアユも遡り、秋には錆の入ったヤマメが釣れる。上流の支流は流れが細く、木々が覆いかぶさる小さな沢になる。 上流へ延びる増川林道には冬の間閉じるゲートがあり、雪解けまでは歩いて入ることになる。2022年8月の豪雨のあとは林道の崩落で通行止めが続いた時期があり、上流の伐採が川の状態に影響しているという声もある。人の入りが多い川なので、夏の終わりには小さなヤマメばかりになりやすい。河川公園の近くでも熊の糞が見つかっており、鈴を鳴らしながら入る人もいる。 三厩には増川川のほかにも、三厩川、算用師川、藤島川、竜飛の元宇鉄川など、海へ直接注ぐ短い川がいくつかあるが、名前を出した釣りの記録はほとんど見当たらない。三厩の名で検索すると三厩漁港や三厩湾の海釣りの話が、増川の名で検索すると山形の増川沢や滋賀・福井の天増川が多く出てくるので、この川を調べるときは三厩や外ヶ浜を添えるとよい。

管轄漁協:三厩漁業協同組合

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