渓流手帖

森下川

石川県

森下川は医王山に源を発し、金沢市の東部から北部へ流れ下って田島川と涌波川を合わせ、河北潟に注ぐ大野川水系の川です。読みは「もりもとがわ」。「もりしたがわ」と読まれがちですが、地元も漁場の図も「もりもと」です。上流部は豊吉川と呼ばれ、古い釣り場案内では森下川の別名として豊吉川の名が出てきます。才田、忠縄、森本、岩出、堅田、月浦、河原市、不動寺、下涌波、薬師、木梨、鳴瀬元、正部、宮野、高坂、古屋谷、車、直江野、北方、牧山、市ノ瀬、二俣と集落を縫って流れます。 釣り場としては、源流域にイワナ、二俣から市ノ瀬の間にヤマメ、という見方が地元に定着しています。渓としては大きくなく、上流域でも流れは緩やかで、谷あいでも日差しが入って見通しが良いのが特徴です。周辺道路の橋から降りられますが、入渓点そのものが少なく、岸は狭くて草木が多いので歩きにくく、駐車場所にも苦労します。近年は砂の堆積がひどくて遡行が難しくなった区間があり、三十年前にヤマメを釣った場所に入って魚信が皆無だった、という記録も残っています。 一方で、二俣や市ノ瀬よりずっと下流、田圃の脇のような場所でヤマメが出ることが知られています。解禁日には必ず森下川に入るという人がいて、驚くほど下流側がポイントになり、今でもサクラマスが釣れると伝えられています。本流に十メートル近いコンクリートの落差工で流れ込む小沢では、サクラマスの縮小版のような銀毛(スモルト)のヤマメが釣れています。砂防堰堤や滝で区切られた閉鎖的な区間に、扁平でやたらと細いヤマメがわずかな個体数で残っていることがあり、放流された魚とは明らかに違う本来の天然種ではないか、河北潟を海に見立てた降下と遡上のサイクルが成り立っているのではないか、という見方が地元の観察から出ています。 大野川水系は河北潟を抱えた変わった水系で、干拓前の防潮水門ができる以前にはマダイやイシダイのような海の魚、シラウオ、ウナギまで豊富だったと伝えられ、明治から戦前にかけての統計にはイワナやサケ・マスの漁獲さえ記録されています。現在この水系でイワナやサケ・マスが確認されているのは浅野川と森下川、それに県の調査で確認された金腐川のオコ谷だけだとされています。森下川の下流では、かつて四つ手網でワカサギが獲れました。今は下流域に重機が入って単調な水路に姿を変えつつあります。 源流は医王山の懐で、豊吉川に落ちるダオ谷とナカオ谷は沢登りの対象になっています。ダオ谷は十メートルの大滝の高巻きがありますが比較的やさしく、ナカオ谷より入りやすいとされます。国見ヒュッテから豊吉川の出合へ下って遡り、白兀山の近くで登山道に出るのが一般的な取り方です。二俣には岩魚とゴリ、そばと山菜を出す店があり、湯涌へ抜ける道筋になっています。熊が出る山域です。

管轄漁協:金沢漁業協同組合

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釣行記5

釣り方:
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