渓流手帖

奈半利川

高知県

高知県東部の安芸郡を南へ流れて土佐湾に注ぐ二級河川の、魚梁瀬(やなせ)ダムから上流の区間。行政区では安芸郡馬路村(うまじむら)の魚梁瀬地区にあたり、ダムの堰堤から上は人里を離れた深い谷になる。渓流魚はアマゴで、高知ではアメゴと呼ぶ。 地元と釣り人はこの区間を西川(にしがわ)と呼ぶ。河川台帳と地形図は奈半利川、ダムより上の谷の呼び名は西川渓谷、という具合に名前が二重になっているので、「西川に行ってきた」と書かれた記録はここを指していると考えてよい。西川の名は全国にあるので、検索するときは魚梁瀬や馬路村を足すと混ざらない。 魚梁瀬は年平均雨量が四千ミリに達することもある日本有数の多雨地帯で、その雨が日本三大美林のひとつ魚梁瀬杉を育てた。源流の千本山(せんぼんやま)には樹齢二百年から三百年の天然杉が立ち並び、登山口のそばを流れる本流を千年橋が渡る。谷は秋に紅葉の名所になり、西川渓谷の名で知られている。 両岸を木が覆っているため水面は深い緑に見え、釣り人はエメラルドグリーンと書く。林道から谷底まで十数メートルの急斜面を下りる区間が多く、降りられる場所を選ばないと入渓できない。そのぶん人の出入りは少なく、魚影は濃い。型は二十センチ前後が主体で、一つの淵から数匹が追ってくることがある。雨が多い土地なので、降り出すと短時間で濁って増水する。 アマゴの産卵期にあたる秋から冬にかけては、毛針とルアーに限って再放流を前提に竿を出せる区間が本流に置かれている。産卵期の保護と資源の活用が両立するかを調べる試験採捕として始まり、そのまま遊漁のしくみに組み込まれたもので、四国でも数少ない、冬に渓流魚を狙える水域になった。 ダム湖には中川・東川といった谷が注ぎ、源流部には千本山と宝蔵山(ほうぞうさん)が立つ。かつて西日本最大といわれた魚梁瀬森林鉄道がこの谷を走っていて、渓沿いには今も軌道跡の石垣が残り、入渓や撤退の目印として使われている。ダム湖畔の丸山台地には水没した集落の移転先である魚梁瀬地区があり、支所、温泉、食堂、オートキャンプ場がそろう。 魚梁瀬ダムより下流の奈半利川は、管理する組合も遊漁のきまりも別になる。同じ奈半利川でも、ダムの上と下では別の川だと思って準備したほうがよい。 アクセスは県道12号安田東洋線から県道54号魚梁瀬公園線、県道370号千本山魚梁瀬線。林業の作業で通行時間が制限されることがあり、落石でとがった石が路面に残るのでパンクに注意がいる。近隣の稗己屋(ひえごや)山ではツキノワグマの目撃情報が出ている。

管轄漁協:魚梁瀬淡水漁業協同組合

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釣行記5

釣り方:
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