
中村川
青森県
西津軽郡鰺ヶ沢町を流れる二級河川。岩木山の西にある四兵衛森に源を発し、弘前市との境の山あいを大きく蛇行しながら北へ下って、鰺ヶ沢の町なかで日本海に注ぐ。流れの長さは約45キロで、津軽の日本海側に注ぐ川では赤石川と並んでいちばん長い。白神山地から流れ出る赤石川や追良瀬川と違い、こちらは岩木山のふもとの川で、源流から河口までの直線距離は24キロほどしかなく、そのぶん蛇行が激しい。 源流から松代の集落までは山あいの渓流で、エゾイワナとヤマメがすむ。松代には東北電力の滝渕ダム(発電用の取水堰)があり、取った水は下流の滝渕発電所で川に戻るので、ダムから発電所までは水の少ない区間になる。発電所から下は田んぼの中をゆったり流れる里川で、ヤマメのほかアユ、サケ、カジカ、ウグイが上ってくる。河口近くでは春にシロウオ漁が行われる。支流には徳明川や、岩木山の湯段のあたりから下ってくる牛頭沢などがあるが、釣りの記録はほとんど無い。牛頭沢は沢歩きの記録に、水は少ないが源流の手前までイワナの姿が見えたと書かれている。 釣り場としては二つの顔がある。ひとつは上流のイワナで、滝渕のダムより上は林道が川から離れて走るため入れる場所が限られ、藪をこいで降りるか、上流の乗廻橋まで回り込むことになる。岩木山の火山性の石はよく滑るので足回りに気をつけたい。もうひとつは県道3号沿いの中流で、ダムの下から発電所の水が入るあたりにかけてヤマメの魚影が濃く、夏でもスピナーやミノーで20センチ台、尺に迫るヤマメが出る。7月にアユの季節が始まると中流には友釣りの人が次々に入るので、渓流の釣り人は朝のうちに入るか、鮎釣りの人がいない区間を選ぶ。 雪代は岩木山の残雪が溶けきるまで長く続き、4月はまだ水温が低く濁りが入る。夏は渇水する年もある。 かつては地元の組合が中流から下を管理してアユやヤマメを放流していたが、2023年の漁業権の切り替えで免許がなくなり、組合も解散した。いまは遊漁券の要らない川だが、組合による放流はなくなったことと、県の漁業調整規則による禁漁期間や大きさの制限はそのままかかり、サケはどこでも獲ってはいけないことに注意したい。古い案内や釣り場の情報サイトには、組合と遊漁料がまだ載っていることがある。 2022年8月の大雨では下流の町なかが広く浸水し、2026年9月の大雨でも町内の川のあちこちで護岸が崩れた。復旧工事で濁りが出たり、上流の林道が通れなくなっていたりすることがあるので、出かける前に道の状況を確かめたい。 読みは「なかむらがわ」。三重県松阪市や山梨県大月市、神奈川県にも中村川があるので、探すときは鰺ヶ沢や岩木山を足すと早い。
釣行記9
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