渓流手帖

直海谷川

石川県

直海谷川は手取川の支流で、白山市河内町(旧河内村)を流れ、口直海で手取川の左岸に注ぎます。読みは「のみだにがわ」です。「直海」の集落名から「のうみだに」と読まれることがありますが、河川名の読みは「のみだに」で、古くから通う釣り人も「のみだに」と呼びます。 吹上から川沿いに道が続き、板尾、金間、下折、内尾、倉谷と集落をたどりながら奥池の方へ詰めていきます。全長はおよそ二十キロメートル。河内村のころから渓流釣りの川として知られ、地図を眺めて探し当てた人が通い続ける、という性格の渓です。イワナとヤマメの両方が釣れ、流れの規模のわりに型が出ることがあります。 支流は内尾谷川と板尾大谷が大きく、ほかにもカツラ谷、宮谷、荒谷、古谷、イワラ谷、フカブチ谷、イネコ谷、トクラ谷、不動谷、クラ谷、オンソリ谷、ゴトゴト谷、三方谷、下原谷、土原谷、ワキ谷、ガラン谷、大原谷、大タル、小タルと、名前のついた谷が数えきれないほど入っています。倉谷の奥は昔から穴場と呼ばれてきましたが、春先は雪渓に覆われて竿が出せず、夏はメジロアブの大群に遭うことがあります。板尾大谷には不動滝や二の滝、三の滝がかかり、沢登りの対象にもなっています。 二〇二六年から、下流部の一定区間がキャッチ&リリース区間になりました。川の環境と気候の変化、水温の問題で渓流魚が定着しにくくなったため、持続的に釣りを楽しめる川に戻そうという漁協の取り組みです。釣り針はカエシのないシングルフックを使い、魚には極力触れずに水中で針を外す、というやり方が案内されています。区間の上下の境と最新のきまりは、漁協の案内で確かめてください。上流の砂防えん堤から先には、竿を出せない区域も設けられています。 地元との結びつきも深い川です。毎年、河内の明光小学校の児童がイワナの稚魚を放流しており、中流の内尾(うつお)にはスキー場と千丈温泉があって、古くから入川券の取扱所になってきました。下流の口直海にはノミレイクと呼ばれるため池と野鳥観察舎があり、釣り以外の目的で訪れる人も多い谷です。この川は手取川の浄水場の取水口より上流にあたるため、水質の異変が県全体の水道に直結します。二〇二六年の冬には民家の灯油タンクから流出した油がこの川に入り、下流の浄水場が取水を止める騒ぎになりました。

管轄漁協:白山手取川漁業協同組合

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