渓流手帖

奥戸川

青森県

本州最北端の町、下北半島の大間町を流れる川。大滝山(標高563メートル)に源を発して山あいを北へ下り、河口の手前で左から小川代川(おがわだいがわ)を合わせて、奥戸(おこっぺ)の集落を抜け津軽海峡に注ぐ。流路はおよそ11キロ、流域面積は25平方キロで、そのうち約99パーセントが国有林に占められている。スギとヒバの針葉樹林にブナなどの広葉樹が混じる森で、本州最北限のツキノワグマ、カモシカ、ニホンザルがすみ、流域は鳥獣保護区と特別保護地区を含む。大間崎までの間に川と呼べるものは小奥戸川と大間川しかないので、実質的に本州のいちばん北を流れる渓流のひとつといってよい。 上流は瀬と淵が発達した渓流で、エゾイワナとヤマメが多い。中流は水田と畑のあいだを流れ、河原と中州が広がって、サケ、アユ、ヤマメ、ヨシノボリがいる。河口にはカジカやシロウオがすみ、冬はオオハクチョウが渡ってくる。川幅は上流で10〜20メートル、中流で15〜40メートル、小川代川と合わさると60メートルほど。河床はレキで、ところどころ岩盤が露出する。勾配は上流で130分の1ほどの急流だが、釣り人は「高低差が少なく河畔の木が大きいのでフライが振りやすい」と書く。河口の奥戸橋での水質は良好な状態が続いている。 釣りの記録は1990年代の後半から残っている。夏にはライズを繰り返す10センチほどのヤマメの群れの上に、20センチ級のイワナとヤマメが混じる。虫を胃袋いっぱいに詰めてなお毛鉤に出てくる、というのが夏のこの川の顔である。春は海から上がるアメマスを狙って下流の田園地帯を歩く人もいるが、成果の記録はあまり芳しくない。2010年代には、河口から5キロほど奥に入って12センチのヤマメと18センチのイワナ、という記録があり、渓相と水の良さに対して魚影は薄いと書かれている。連休には先行者の入渓跡が残ることもある。河原の砂に砂鉄が多く、下北半島は昔、採掘と運搬のための鉄道が計画されたほど砂鉄が豊かだったという。 入渓路は国道338号の奥戸橋のたもとから山へ入る奥戸川林道で、全線が未舗装ながらよく締まっていて走りやすい。木材を運ぶ道として手入れが続いているためで、そのまま進むと隣の材木沢線につながり、合わせて20キロを超える下北半島最長の連続ダートになる。途中に給油できる場所はない。コンクリートの橋を三つ渡り、二つ目の橋の先の分かれ道を左へ行くと下二股沢沿いの行き止まりの道になる。かつてはこの谷に森林鉄道が通っていて、奥戸には貯木場があった。 この川には川を受け持つ組合がない。代わりに1982年から地元の奥戸川蝉会(おこっぺかわせみかい)がイワナなどの稚魚を毎年放し、林道にゴミ箱代わりのドラム缶を置いて川を掃除し続けている。2005年からは地元の小学生を連れて稚魚放流と自然体験学習を行っており、2010年に環境大臣から地域環境美化の功績として表彰された。魚がいるのは自然のおかげだけではない、ということを頭に置いて竿を出したい。 漁協がないので遊漁券は要らないが、県の漁業調整規則による禁止期間や大きさの制限はほかの川と同じようにかかる。サケは川では一年中とることができない。 読みは「おくと」ではなく「おこっぺ」。奥戸には海の漁協があるけれども、この川を受け持つ組合ではない。東京都葛飾区にも奥戸という地名があり、北海道には興部(おこっぺ)町と興部川、徳島県板野町にも同じ字の奥戸川があるので、調べるときは大間や下北を添えるとよい。流域はツキノワグマの濃い地域で、林道の奥には鈴を貸してくれる木箱が置かれている。

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釣行記8

釣り方:
  • 青森・下北半島釣行記(その3)
    ばりしんどい
    フライ
  • 奥戸川林道
    林道探索の書
  • 奥戸川の入漁心得の看板(林道探索の書 AO-048)
    林道探索の書
  • 奥戸川の流れ(林道探索の書 AO-048)
    林道探索の書
  • おじんたぬき 下北半島 のイワナ釣り #2
    ojintanuki.web.fc2.com
    エサ釣り
  • 99東北の溪魚(下北半島 奥戸川・易国間川/秋田 生保内川・斉内川)
    発熱弾性体
    フライ
  • 97東北の溪魚(下北半島 長後川・奥戸川/岩手 志戸前川)
    発熱弾性体
    フライ

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