大海川
石川県
大海川は、能登半島の最高峰である宝達山(標高六百三十七メートル)の南麓に源を発し、津幡町の山あいを南へ下って字牛首のあたりで北西に向きを変え、かほく市を抜けて宝達志水町の免田で日本海に注ぐ、流程二十キロ足らずの二級河川です。読みは「おおみがわ」。川の名は、能登国羽咋郡大海郷と、のちの大泉庄という地名に由来するとされます。古くは能登国と加賀国の国境にあたる川で、河口に近い丘には弥生時代の高地性集落である大海西山遺跡があり、竪穴住居が復元されています。源の宝達山は江戸時代の金山にちなむ名で、山域は水源の森百選に選ばれています。 里山の川です。中流から下流は田んぼのあいだをゆるやかに流れ、夏になるとオイカワとウグイで埋まります。渓流魚を狙うなら雪代の落ち着く三月から四月で、上流の谷に入ります。地元で長く通っている書き手は「ここで釣る人が少ないから釣れる」「魚影が濃く、近場なのに魚が釣れる」と書く一方で、「電気柵つきの田んぼが並び、風情のない川」とも書いています。奈良から赴任してきた釣り人は「京都の美山の渓に似ている」「こんなに良い渓相なのだが」と渓相そのものは高く評価したうえで、流域に大規模な太陽光発電の工事が入って以降は濁りが残るようになったと聞いた、と書き残しています。 魚はヤマメとイワナが中心で、サクラマス、アユ、コイ、フナ、ウナギも対象になります。放流は稚魚が中心です。丸々と太った成魚が釣れた年もありましたが、近ごろは成魚の放流をやめたらしいという釣り人の観察があります。小さなヤマメが多いなかで、四十センチの大イワナが上がった記録もあります。流域の小学校が毎年サクラマスの稚魚を放流しており、秋には河口からサケがのぼってきます。夏のアユの刺し網漁は地区の風物詩で、全国でも遅い時期まで竿が出せる川として知られています。かほく市八野平の八野大橋には県の河川監視カメラがあり、水位と濁りを見てから出かけられます。 上流には野寺川、瓜生川、木窪川、一の又川という支流があります。このうち釣りの記録が見つかるのは木窪川で、別に河川ページを置いています。瓜生川は津幡町瓜生の集落を流れ、川のすぐ横に住む人が「イワナやヤマメが釣れる」と語る谷ですが、まとまった釣行の記録は地元放送局の取材一本しか見つかりませんでした。野寺川は八野でカメラが置かれているほかは釣りの記録が見当たらず、一の又川にいたっては国の河川データにも線がありません。いずれも器を作らず、ここに書き留めておきます。 同じ名前の川が長野県小谷村にもあります(姫川水系中谷川の支流)。そちらは雨飾山の荒菅沢をともなう沢登りの舞台なので、検索すると登山と山スキーの記録が混ざります。読みも間違えられやすく、釣果サイトの一部は「おおうみがわ」と振っていますが、県の漁場図も県の水位観測所も「おおみがわ」です。流域には熊が出ます。
管轄漁協:大海川漁業協同組合
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