渓流手帖

大楽前沢

秋田県

大湯川の上流部に、国道103号沿いの本流へ合わさる支流。読みはおおらくまえざわ。入渓路が分かりにくい沢として知られていて、河川ガイドのサイトは、10万分の1の道路地図では入渓口が見つけられない、ということは入渓者が少ないということでもある、と書いている。5万分の1の地図で初めて分かる入り口は、大楽前の地点から約2.2キロ下った土佐という集落にある。別の記録は土沢の集落から林道が走っていると書き、夜間や早朝は大楽前沢の道路標示があるわけでもないので進入路が暗くて見つけづらい、国道282号の交差点から土沢までは大湯温泉を抜けて約20キロ、と目安を示している。源流地点から林道が沢に出合うまでの距離は約6キロ。川幅も広く竿を出すには問題がないが、左右の崖で淵のトロ場があると想定したほうが無難、というのが同じサイトの見立てになる。林道探索の記録は、荒川林道から眺めた大楽前沢は水量豊かで沢幅も流れもしっかりした清涼感に溢れた美しい渓流だった、シーズンには四輪で乗り付けるヤマメやイワナ目当ての釣り師もいると思われる、と書いている。別の探勝記録は、扇平の手前から左の林道に入ってしばらく行くと川に突き当たるのでそこから遡り始めた、1時間以上歩いたが大きな滝はないようだった、と書いている。かつてはこの筋に大楽前禁漁区(小根津塔沢と大湯川の合流点から沼平発電所取水口堰堤まで)と扇ノ平禁漁区(扇平橋から大湯発電所取水口堰堤まで)が設定されていたが、令和6年施行の現行の遊漁規則の禁止区域の欄には入っていない。制度は鹿角市河川漁業協同組合の内共第14号による。漁業権の魚種はあゆ、いわな、やまめ、うぐい。遊漁の期間はイワナとヤマメが4月1日から9月20日、アユが7月1日から10月31日、ウグイが4月1日から9月20日。ただし秋田県漁業調整規則の第37条が県内一律でヤマメを9月1日から翌年3月20日まで禁じているので、ヤマメが釣れるのは実際には4月1日から8月31日までで、9月20日まで竿を出せるのはイワナのほうになる。全長制限はイワナとヤマメが15センチ以下、アユとウグイが10センチ以下。遊漁料はイワナとヤマメが日券1,000円、年券5,000円で、漁場監視員にその場で納めると1,000円が加算される。未就学児と小中学生、身体障害者手帳3級以上の人は無料。アユのがら掛けは禁止で、漁場全域で川底をかくはんすることも禁じられている。流域はツキノワグマの生息域にあたる。2024年5月4日には十和田山根の汁毛川の右岸の岩場で渓流釣りをしていた男性がクマに襲われ、ドクターヘリで搬送されている。地元の書き手も、夜明島川と並走して玉川温泉へ向かう林道沿いの川が熊取川という名であることを挙げて、単独釣行は勧めないと書いている。

管轄漁協:鹿角市河川漁業協同組合

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