渓流手帖

笹川

富山県

笹川は富山県下新川郡朝日町の東部、新潟県境に近い黒菱山(標高1,043m)に源を発し、大鷲谷・逆谷・七重谷を合わせて越中宮崎のあたりで富山湾に注ぐ、流路延長およそ8kmの小さな二級河川です。泊川という別名でも呼ばれてきました。 黒部川・小川・境川といった大きな川に挟まれた小さな谷ですが、水量は安定しており、関東や山梨からわざわざ通う釣り人がいる川として地元に知られてきました。川尻に近い笹川橋のすぐ上手の深みで32cmのヤマメが出た記録があり、大水のあとは決まって下流側で大物が出ると地元の人は言います。越中の川は大小を問わず下流域の方に大物が上る、という見方がこの川にも当てはまります。上流の田中・雁蔵の集落から逆谷の出合あたりまでは谷相としてはイワナ場ですが、堰堤が多く入っています。 この川の特徴は、発電所が一つも無いことです。かつて発電所を造る工事が進み、逆谷の出合の峡間に吊り橋を架けたところ崖崩れが起きて橋が流され、神罰として工事を取りやめて石仏を二体祀って鎮めた、と地元に伝えられています。そのおかげで谷の水は昔のまま奥山から海へ流れている、というのが川沿いの人の誇りです。 支流の七重谷川には七重滝(しっちゃたき)と呼ばれる連瀑がかかります。岩稲累層と太美山層群の断層にかかる滝で、流紋岩の上を撫でるように水が落ちる均整のとれた姿から、朝日町の泊が親不知手前の宿場町として栄えていた頃より文人墨客に親しまれてきました。七の由来は、七段の連瀑によるという説、笹川村を開拓した竹内・長井・小林・堀内・深松・折谷・宇津の七家によるという説などがあります。滝から上流も流紋岩のゴルジュ地形が続きますが、岩のフリクションに乏しく、やがて大きな堰堤で終わります。 同じ名前の注意として、笹川は長野県木祖村の木曽川水系にもあり、こちらは渓流釣り場としてすでに知られています。また新潟県村上市の海岸「笹川流れ」が検索結果を埋めるので、富山の笹川を調べるときは朝日町や越中宮崎を添えないと海釣りの情報ばかりが返ってきます。

管轄漁協:朝日内水面漁業協同組合

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釣行記2

釣り方:
  • 「富山県」釣行記(1999年5月・小川/青海川/大平川/笹川/片貝川/名立川/桑取川)
    渓道楽
    エサ釣り
  • 85 越中富山のヤマメつり⑧ 発電所のない笹川(大鷲谷・逆谷・七重谷)
    わが心の山河〈下〉
    エサ釣り

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