渓流手帖

白瀬川

新潟県

雪畑山(1,002.9メートル)と金剛山(962.2メートル)を水源に持ち、白瀬の集落を経て両津湾にそそぐ川。二級河川の台帳では長さ4,500メートル、書き手の計測では3,963メートルで佐渡26番目とされる。内海府側では最も大きな川で、両津港から近く道路沿いに整備された道があるため、島外から来た人がまず入渓を試みるのがこの川である。 その結果、佐渡ではあまり釣れない川の一つになっている。岩魚がいないわけではなく、2019年7月には25センチと21センチが出ているが、後が続かない。2020年7月に上流3俣を調査したときはアタリが全く無く、2025年6月の再調査でも確認できたのは3匹だけだった。 川は上流で3つの沢に分かれ、それぞれに白瀬発電所の取水口がある。東北電力の担当者によれば、左俣が御林沢川、中俣が大平川、右俣が馬の瀬川。発電所の下で左岸から出合う沢が立田沢川である。3つの取水口は標高340メートルのラインに沿った導水路でつながっていて、地図上でまっすぐ伸びるこの水路は「青い等高線」と呼ばれる。これをたどると3つの沢を一度に見て回れる。 滝は多い。右俣(馬の瀬川)に落差20メートルはありそうな大きな滝があり、名前は分かっていない。左俣(御林沢川)には二条に分かれる落差10メートルの滝と、遡行を阻む10メートルの滝がある。中俣(大平川)にF1(2段3メートル)とF2(3メートル)、本流に3メートルの滝がある。 2011年にはNHK BSプレミアム「にっぽん釣りの旅 岩魚編」のロケがこの川で行われた。案内した地元の釣り人は、景色のきれいな白瀬が最初に選ばれたために、堰堤の先にあったもっと大きなチャンスを逃したかもしれないと書いている。 東北電力ネットワークは佐渡島に4か所あった水力発電所をすべて廃止すると発表しており、水沢発電所は2023年12月、梅津発電所は2024年12月に廃止された。白瀬発電所は2025年12月、新保川発電所は2026年12月の廃止予定とされている。取水口と導水路が撤去されれば、これらの川の水量と渓相は今と変わる可能性が高い。 この川に漁業協同組合は無く、第五種共同漁業権も設定されていない。新潟県の内水面漁場計画で佐渡島に置かれている漁業権は内共第22号の羽茂川ただ一つで、加茂湖と両津湾に注ぐ川はどれもその外にある。したがって遊漁券は要らない。2018年2月23日に国府川漁業協同組合が解散して以降、佐渡の内水面漁協は羽茂川の一つだけになった。 ただし管理する母体が無くても新潟県内水面漁業調整規則は県内のどの川にもかかる。いわなとやまめは10月1日から2月末日までが禁漁で、解禁は3月1日。全長15センチ以下は通年で採捕できない。放流をする組織が無いので、釣れる魚はすべて自然に再生産されたものである。数が限られているので、持ち帰る数は自分で決めるほかない。

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