渓流手帖

庄川

富山県

岐阜県郡上市のひるがの高原に源を発し、飛騨の山を北へ下って富山平野を貫き、富山湾に注ぐ全長およそ115キロの川。このページが受け持つのは小牧ダムから下流、砺波平野を抜けて高岡市と射水市の境で海に出るまでのおよそ26キロである。上流の五箇山・利賀の峡谷区間と、さらに上の岐阜県側は別のページになる。 峡谷を出た庄川は、砺波平野の扇状地をまっすぐ北へ下る広い本流になる。両岸は堤防と広い河川敷で、合口ダムの下から舟戸橋、雄神橋、雄神大橋、太田橋、となみ野大橋、砺波大橋、庄川大橋、中田橋、南郷大橋、新幹線橋、大門大橋、高岡大橋、高新大橋、牧野大橋、新庄川橋と橋が続き、どの橋のたもとからも川原に下りられる。釣り人は河口からの距離でこの区間を6つに割り、上流から順にA区域(合口ダムから雄神大橋)、B区域(雄神大橋から砺波大橋)、C区域(砺波大橋から中田橋)、D区域(中田橋から新幹線橋)、E区域(新幹線橋から高新大橋)、F区域(高新大橋から河口)と呼ぶ。漁協の釣り場マップもこの区分で描かれていて、釣果のやり取りもこの区域名で行われる。 この区間の主役は、富山湾から遡上するサクラマスである。春、雪代で増えた水に乗って上がってくる個体をルアーと餌で狙う。竿を出す人は年間二百人に満たず、川全体で一年に上がる数も数十尾から、多い年でようやく三百尾台という、一本の価値が重い釣りである。釣り人は富山湾でのサクラマスの漁獲量の推移を見ながら、その年の川の調子を読む。ヤマメも対象で、本流の大型を狙って竿を出す人がいる。 水量は小牧ダムと合口ダムの放流で決まる。毎秒数十トンで落ち着いている日もあれば、雪代や雨で五百トンを超える日もあり、同じ場所が別の川のように変わる。出かける前に放流量とライブカメラを見るのが、この川の釣り人の習慣になっている。最下流のダムである合口ダム(庄川用水合口堰堤・舟戸ダムとも呼ぶ)は、扇状地の要から砺波平野の農業用水へ水を分ける統合取水口で、国の登録有形文化財でもある。その下には放水路の激流と、扇状地から湧き出る伏流水が入り込む場所があり、魚の着き場になっている。さらに上の小牧ダムは昭和五年の完成当時「東洋一」と呼ばれた堤高79メートルのダムで、黒いラジアルゲートが17門並ぶ姿が今も残る。 サクラマスは放流にも支えられている。南郷大橋の近くにある庄川ふ化場で育てた稚魚が毎年春に川へ戻され、2021年からは、放流した魚がどれだけ帰ってくるかを調べるために稚魚の脂鰭を切ってから放す取り組みが続いている。釣った魚の脂鰭の有無を見て報告する釣り人が増えた。秋にはサケが遡上し、こちらも捕獲と採卵、稚魚の放流が続けられている。 近年はコクチバス、オオクチバス、ブラウントラウトといった外来魚の釣果が増えていて、漁協が水系全体の生息状況を調べている。 同じ名前の川の注意。庄川には、上流側の五箇山・利賀の峡谷区間と、岐阜県の荘川・白川郷の区間に別のページがある。検索で「庄川」とだけ入れると世界遺産の白川郷や、岐阜県高山市の荘川の記事に流れることが多い。富山平野に出てからの庄川を探すときは、砺波・高岡・射水・大門といった地名か、サクラマスを足すとよい。

管轄漁協:庄川沿岸漁業協同組合連合会

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釣行記112

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