渓流手帖

高野川

青森県

むつ市川内町の東はしを流れ、川内の市街から少し離れたところで陸奥湾に注ぐ川。標高百六十メートルほどの低い山地に源を発し、南西へ十キロほど下る。川内川の河口の一キロあまり東に落ち口があるが、川内川とはつながっていない別の流れで、むつ市が受け持つ準用河川である。 下北で竿を出す人のあいだでは、気軽に入れる渓流として知られている。地元の書き手は「最近のお手軽渓流」「河口といってもいいほど海に近い」と書き、さらに「クネクネした川で、薮が多い。なので春しか行きません。いつも二時間ぐらいで終了します」と続けている。藪が濃いので、葉の落ちている時期と新芽の出る前が入りやすい、ということである。 対象はヤマメとイワナ。二〇一〇年の初釣りは二十四センチのヤマメで、本人はこれを「大成功」と書いている。海が近いので、海へ降りて戻ってきた三十四センチのアメマスが掛かったこともある。一方で、ヤマメは小型が多くハヤが先に食ってしまう、という記録もある。小さな魚を数多く相手にする川と考えたほうがよい。 上流へは川沿いの農道をたどる。進んでいくと石倉という集落があり、道は車一台分の幅しかないが舗装されている。 川の名は川内町の字の名にもなっていて、川内八幡宮の例大祭では「高野川」が山車を出す地区の名として出てくる。読みについては、河川の台帳が「タカノガワ」と書く一方で、国の町字のデータは字としての高野川を「こうやがわ」と読ませており、隣の字の高野山も「こうやさん」なので、地元では「こうや」と読んでいるとみられる。 同じ名前の川が全国に多く、京都市の高野川(鴨川の支流)、福島県南会津の高野川、静岡県の那賀川水系の高野川に検索を取られる。調べるときはむつ市か川内を添えるとよい。 この川を受け持つ組合はない。遊漁券は要らないが、県の漁業調整規則が定める禁止期間や大きさの制限は県内のすべての川にかかる。サケは川では一年中とることができない。クマの出る地域なので、鈴などの備えをして入りたい。

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