渓流手帖

椿川

新潟県

ドンデン山(タダラ峰・尻立山934メートル)を水源に持ち、椿の集落から両津湾にそそぐ川。長さは2,210メートル。小さな川だが山の懐が深いので水量が多く、灌漑用水に使っても年間を通して水が切れることがないという。 川は小さいものの渓相は抜群で、魚影は濃い。入渓しやすい川なので普段は20センチ前後の岩魚が主体で22センチ止まりのことが多いが、2024年6月には41センチという大物が出ている(書き手の自己記録)。渇水期は水が少なく食いが浅くなるので難しい。標高350メートルを過ぎるとアタリが無くなる。 登山口までは車で入れる。登山口から10分ほどで分岐が現れ、左がドンデン山への登山道、右が聖滝(しょうたき)への道になる。道と言っても藪に覆われていて、頼りになるのはピンクテープだけ。6月以降はミヤマイラクサとシダに覆われて道が分からなくなるので、帰りは川を下ったほうが安全なこともある。標高400メートル付近で川は二俣に分かれ、右の沢を150メートルほど進むと標高470メートル地点に聖滝が現れる。修業の場であったと伝えられる滝で、渇水期は水が少なく迫力に欠ける。 麓はニリンソウの群生地として知られ、春は花目当ての人が入る。2002年から住民の「椿川を守る会」が年2回の河川清掃をしており、アユカケ・ゴリ・モズクガニなど昔の水生生物が戻ってきたという。1978年に外羽黒の鮭ふ化場から貝喰川とともに稚魚が放流された川でもある。 河口部ではヤマメが釣れる。2013年9月のフライフィッシングの記録では、海を見ながら数メートルの範囲で小型のヤマメが10数匹という入れ食いになっている。 この川に漁業協同組合は無く、第五種共同漁業権も設定されていない。新潟県の内水面漁場計画で佐渡島に置かれている漁業権は内共第22号の羽茂川ただ一つで、加茂湖と両津湾に注ぐ川はどれもその外にある。したがって遊漁券は要らない。2018年2月23日に国府川漁業協同組合が解散して以降、佐渡の内水面漁協は羽茂川の一つだけになった。 ただし管理する母体が無くても新潟県内水面漁業調整規則は県内のどの川にもかかる。いわなとやまめは10月1日から2月末日までが禁漁で、解禁は3月1日。全長15センチ以下は通年で採捕できない。放流をする組織が無いので、釣れる魚はすべて自然に再生産されたものである。数が限られているので、持ち帰る数は自分で決めるほかない。

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