渓流手帖

浦川

新潟県

平松戴山(652メートル)あたりを水源に持ち、浦川の集落を流れて浦川漁港のすぐ横で海にそそぐ川。二級河川の台帳には載っていないが、地形図には名前が載っている。 山本素石の『釣山河』の「佐渡の渓流(下)」に、この川と思われるくだりがある。一行が浦川の藤屋という宿に泊まったときの、宿の親父の言葉である。「七十すぎたうちの婆さんでもナ、運のええときはこの下の川で、もっとでっかいアメマスを手づかみすることがあるでのう。まったく油断のならねえ川だ」。半世紀以上前とはいえ、この小さな川にもアメマスが遡上していたことになる。 2025年3月の初調査は残雪に阻まれ、河口から800メートルの堰堤まででバラシ1回に終わった。同じ佐渡でも小佐渡や外海府に比べ、内海府は平地でも雪が多く残る。2026年3月に上流を調べ直したところ、第1堰堤から二俣まで大小15の堰堤があった。いずれも平成22年と26年の豪雨災害の復旧治山工事で作られた新しいものである。第1堰堤の手前に車を止め、森林基幹道浦川線を歩いて入る。 左俣は竿を出せるポイントこそ少ないが型がよく、二俣の手前で31センチの尺岩魚が出た。二俣から先の左沢・右沢はどちらもポイントが無く、岩魚が居つくのは難しい。右俣は堰堤を巻いた先に落差10メートルの滝があるが、下降点が急崖で、書き手は帰りに懸垂下降で堰堤を降りている。安易に降りない方がよい。 黒姫川より北の川は、県の二級河川台帳に一本も載っていない。書き手が新潟県の河川管理課に理由を聞いたところ「河川法で管理する川ではなかっただけで特別な理由はない」という答えだったという。台帳に無いことと、魚がいないことは関係がない。 この川に漁業協同組合は無く、第五種共同漁業権も設定されていない。新潟県の内水面漁場計画で佐渡島に置かれている漁業権は内共第22号の羽茂川ただ一つで、内海府の川はすべてその外にある。したがって遊漁券は要らない。2018年2月23日に国府川漁業協同組合が解散して以降、佐渡の内水面漁協は羽茂川の一つだけになった。 ただし管理する母体が無くても新潟県内水面漁業調整規則は県内のどの川にもかかる。いわなとやまめは10月1日から2月末日までが禁漁で、解禁は3月1日。全長15センチ以下は通年で採捕できない。放流をする組織が無いので、釣れる魚はすべて自然に再生産されたものである。数が限られているので、持ち帰る数は自分で決めるほかない。

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釣行記4

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