渓流手帖

千歳川

神奈川県

箱根外輪山の南端に発し、神奈川県足柄下郡湯河原町と静岡県熱海市泉の境を東へ流れ、湯河原温泉街の落合橋で支流の藤木川を合わせて相模湾に注ぐ川。河口の千歳橋がそのまま県境になっていて、右岸が熱海市、左岸が湯河原町にあたる。平野をほとんど持たないまま海に達するので、河口から数キロ遡っただけで源流域の相になる。三遊亭圓朝の「指物師名人長二」には、湯河原の川の総名を本沢と呼び、藤木川と千歳川が通っていると語る場面がある。 釣り場としての実態はアユの川で、天然遡上が多く、昔から毛バリ釣りが盛んな河川として知られてきた。温泉街のまん中を流れるため、川沿いを歩く観光客が足を止めて釣りを見ているのがこの川らしい風景になる。渓流のヤマメが狙えるのは落合橋から上流の区間で、案内図では西山橋を経て千歳川源流までが釣り場になっている。成魚放流された27センチ前後のヤマメが翌年には野生化して尺に育つという地元の釣り人の観察があり、本流の淵や堰堤で27センチ級のヤマメやニジマスが上がった記録もある。ただし魚影は薄く、移動しながら1本を狙う釣りになる。 漁業権は内共第6号ひとつで、千歳橋の見通し線から上流の本流と支流の全域が湯河原観光漁業協同組合の漁場になる。除外区域は無い。対象魚はあゆとやまめの2種だけで、いわなは漁業権に入っていない。やまめの漁具漁法は竿釣のエサ釣と毛針釣だけと定められていて、ルアーは使えない。エサの種類に制限は無い。全長12センチ以下のやまめは採捕できない。遊漁時間は毎日、日の出1時間前から日没1時間後まで。 ヤマメの遊漁期間は3月1日から10月14日までのうち組合が定めて公示する日から10月14日まで。ただし解禁日は水系のなかで2つに分かれていて、藤木川筋が3月第1日曜日なのに対し、千歳川本流の上流部は4月上旬になる。同じ漁業権のなかで1か月ずれるので、案内図の区間割りを見てから入ることになる。稚あゆ放流のため、4月1日から5月31日までのうち組合が公示する日から5月31日までは千歳川と藤木川の全川が禁漁になる。規則はこの禁漁から日金沢だけを除いている。 遊漁料は日釣券が店売り800円、現場売り1,000円、2日券1,200円、年券6,500円。ヤマメ解禁日だけは3,000円で、この日は年券が使えない。未就学の児童と小学生は無料、中学生は日釣券と2日券が半額で年券は4分の1、身体障害者手帳を提示すると半額になる。遊漁証は千歳川案内所(漁協内・湯河原町土肥6-2-1)、湯河原温泉観光協会、つりよし釣り具店で買える。案内所は6月1日から10月14日の午前7時から9時30分まで(火曜休)と期間が限られる。 アユは区間ごとに解禁が分かれる。河口から川堰橋までが6月上旬、川堰橋から落合橋までが6月中旬で、いずれも10月14日まで。落合橋から末広橋までは7月中旬から8月上旬だけの浴客漁場になっていて、温泉客が短い期間だけ竿を出せる区間として設けられている。12月1日から12月31日までは落ちアユの再解禁がある。 同名の川が多い。北海道千歳市を流れる石狩川水系の千歳川と、福岡・佐賀の筑後川水系の千歳川はいずれも別の川で、検索するとほとんどがそちらに当たる。地元では上流部をまとめて藤木川と呼ぶ書き手もいるが、河川台帳と漁協の案内図はどちらも落合橋から上流にも千歳川の名を残している。

管轄漁協:湯河原観光漁業協同組合

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