渓流手帖

平沢川

新潟県

柿崎区岩野のあたりで柿崎川の左岸に入る小渓流。国道8号の旭町交差点から県道25号柿崎小国線を5キロほど行くと、柿崎川に架かる橋の左手にこの川がある。新潟県の二級河川ではないため河川台帳には載っておらず、指定区間も定められていない。上流に柿崎区平沢の集落がある。 柿崎川の橋を渡ってすぐ左折すると護岸された下流を川沿いに遡れるが、コンクリート固めで釣趣はなく、底石に番線で編んだ網が張ってあるのが見える。護岸は延々と続き、1キロほど遡ると大きな砂防堰堤が現れる。川が渓流の姿を見せるのはこの上流からで、ここから道路が交差するまでの間にもポイントはあるが釣れた記録は無いという。 見かけからは想像しにくいが、大物のいる川と考えてよい、というのがこの川に通った釣り人の結論である。幾重にも連なる棚田跡と枯葦の広がるなかを護岸が続き、落ち込みの巻き返しで重い当たりが来る。ただし記録に残っているのは敗北のほうが多い。2013年4月に掛けた1匹は糸切れで姿も見えず、その後3回通っても取れず、一度は手網に入る寸前まで追い詰めて尺どころではない40センチ近い魚体を見ているが、4回目にはそのポイントが沈黙した。別のポイントでも橋の下の暗がりから引き込まれ、1号の通し仕掛けを使っていたのに針外れで逃げられている。 小渓流らしく障害物が多く、深場はもちろん枯葦や灌木の隙間に仕掛けを落として、掛かったらやや強引にでも早い勝負に出たほうがよいと書かれている。仕掛けは1号の通しで1.5メートルから2メートル。糸切れよりも針外れで大物を逃しているという。再挑戦では中小型のいわなが数匹出ており、サイズのわりに胴が太くコンディションはよい。 川沿いには人の足跡があるが、山菜採りも多いので釣り人とは限らない。雪の少ない地域なので気温が上がっても増水の心配は少ない。川沿いにかたくりが咲き、日本海に近いかたくりは葉に模様が無い。わさびの花もよく見られる。 隣の米山寺川とほぼ同じタイプの渓流だと書かれている。同名の平沢川が福島、群馬、埼玉、山梨、長野にあるので、検索には柿崎や上越を足したほうがよい。 柿崎川水系には現在、内水面の漁業協同組合が無い。新潟県が公表している第五種共同漁業権の設定状況は内共第1号から第22号までの22件で、その全文にも漁場図にも対象魚種一覧にも、柿崎川と支流の名前は出てこない。東隣の鵜川は内共第14号、西隣の関川は内共第15号、その先の桑取川は内共第17号だが、そのあいだの柿崎川だけが漁業権の設定されていない川になっている。 ただし名立川のように最初から漁協が無かったわけではない。新潟県内水面漁業協同組合連合会の記録では、柿崎町内水面漁業協同組合は昭和59年5月に刈谷川漁協とともに連合会へ加入して27漁協となり、平成23年(2011年)7月に退会して会員は26漁協に減っている。つまり27年ほど活動したあと解散した漁協である。地元で聞き取りをした釣り人の記録によれば、解散のいちばんの理由は組合員の高齢化で、2000年ごろまではいわなとやまめの放流が続いていたという。管轄していたのは柿崎川本流と猿毛川、米山寺川だった。 したがって遊漁券は存在せず、遊漁料を払う相手もいない。放流も監視も行われていないので、いま釣れる魚はすべて自然繁殖のものになる。 漁協が無くても、期間と全長の制限は新潟県漁業調整規則が県内全域に効く。第37条により、いわなとやまめは10月1日から翌年2月末日までが採捕禁止で、実質的に釣れるのは3月1日から9月30日まで。全長15センチ以下のいわなとやまめは一年を通して採捕できない。 同じ規則の第35条で、水中に電流を通じる漁法、瀬干漁法、ごろかけ漁法、潜水器を使う漁法、水中銃、火光を利用する漁法が禁止されている。ブラックバス類とブルーギルを釣った水域に放すことも、新潟県内水面漁場管理委員会指示で禁じられている。 放流に支えられていない川なので、小さい魚を持ち帰らないという一点が、そのまま来年その川に魚がいるかどうかを決める。米山寺川では、かつては足しげく通う人もいたが釣れなくなりもはや魚は絶滅したと言われている、と地元の人が語った記録がある。

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釣行記3

釣り方:
  • 平沢川
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  • 平沢川2
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  • 敗北の川(平沢川)
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