渓流手帖

柿崎川

新潟県

上越市柿崎区を流れて日本海に注ぐ二級水系の本流。柿崎区黒岩の小村峠に源を発して西へ流れ、柿崎区柿崎で海に出る。二級河川の指定区間は19,245メートルで、その上流端は黒岩最前地内の明後沢橋である。水系は法定河川10本からなるが、最大の支流である吉川は指定区間が21,150メートルあり、本流の柿崎川より長い。 上流の柿崎区上中山と松留に柿崎川ダムがあり、湖名はかきざき湖という。釣り場としての中心はこのダムより上流で、ダムのバックウォーター側に広い駐車場があり、そこから川に降りて釣り上がる形になる。川幅は狭く2メートルから3メートルほどしかなく、川原がほとんど無い護岸区間が続く。木々の枝が覆いかぶさってトンネルのようになっているため日陰が多く、かげろうやかわげらといった水生昆虫が非常に多い川だと地元の釣り人が書いている。フライラインを出しすぎるとすぐ枝に掛かるので、キャストできるポイントは落ち込みとプールの数か所に限られる。採石場入口の石橋を過ぎると魚影が濃くなる。 本流のもう一つの入り口は、国道8号の柿崎町旭町交差点から県道25号柿崎小国線に入る道である。百木と上小野の地区に取水堰堤が二つあり、そのあいだが良いとされる。2012年4月に初めてここへ入った釣り人は、取水堰堤のそばの橋から下流の深瀬でキジ餌を流して30センチを超えるいわなを取り、同じポイントにルアーを投げて同じくらいの大きさのにじますを追加している。丸山橋という農道の橋から下流での釣果で、これより上流はまったくふるわなかったという。流域が長いわりに魚のつくポイントは限られている、というのがこの釣り人の見立てである。 中流域はやまめの北限を探るような釣りになる。地元でこの川をホームリバーにしている釣り人が、中流に架かる橋を目安に三か所を調べた記録を残している。米山寺郵便局付近は見渡すかぎり田んぼで、おいかわ8にうぐい2の割合でしか釣れず、やまめは釣れたことがない。くろかわ診療所付近は水量も流れも良いのにうぐいが100パーセントで、ここから上中山までは田の中を通っていて日差しを遮る木が無く、水温が高いのではないかと書いている。柿崎川浄水場付近は木が茂って日陰が多く、やまめが過去に2尾釣れている。 猿毛川が合流する上中山地区は、合流部が両側とも護岸された用水路のようになっているが、少し釣り歩くと広い淵と川原が現れ、やまめが数回釣れている場所がある。解禁期の上流域には他県ナンバーも含めて竿が入るので、車が並んでいたら支流に移るという組み立てが取られている。 水位は県の柿崎橋と角取の観測所で見られる。 漁場図が存在しない水系なので、魚のいる場所は県の柿崎川水系河川整備計画が代わりになる。計画は魚類の生息状況を河川ごとに書いており、柿崎川の上流ではいわなとかじかなど渓流域の魚が生息し、中流でうぐい、おいかわのほか、ほとけどじょう、すなやつめ、めだかといった貴重種も確認されている。柳橋(河口から3.2キロ)から下流は感潮区間で、すずきやぼらなど汽水性の魚が多い。下流から中流付近にはさけとあゆも遡上する。 同じ計画は、流域内の河川でこれまであゆ、こい、いわな、やまめの釣りが行われてきたと書いている。水質は概ね良好で、柿崎川の環境基準点である柿崎橋と黒川橋はいずれもA類型、吉川の下条橋はB類型で、近年はどちらも基準を満たしている。 この水系には、赤い斑点の出方がニッコウイワナと違ういわなが釣れるという話がある。新潟県渓流協議会は、会員が柿崎川の支流で釣った腹の赤いいわなの写真を紹介し、ヤマトイワナの特徴に近く、かつて新潟県から富山県北部にまたがって生息していたとされるヒライワナではないかと書いている。米山寺川の源流に入った釣り人も、腹がやけに赤く背のまだら模様が白い斑点でつながってサバのようになったいわなが多いとして、このあたりで言われているヒライワナだろうかと記録に残している。 どちらも断定はしていない。放流された種苗が混じっている可能性があるので結論は出ない、というのが協議会の書き方である。ただし小さな沢で放流もされず、めったに人の入らない渓なら可能性は捨てきれないとも書いている。 柿崎川水系には現在、内水面の漁業協同組合が無い。新潟県が公表している第五種共同漁業権の設定状況は内共第1号から第22号までの22件で、その全文にも漁場図にも対象魚種一覧にも、柿崎川と支流の名前は出てこない。東隣の鵜川は内共第14号、西隣の関川は内共第15号、その先の桑取川は内共第17号だが、そのあいだの柿崎川だけが漁業権の設定されていない川になっている。 ただし名立川のように最初から漁協が無かったわけではない。新潟県内水面漁業協同組合連合会の記録では、柿崎町内水面漁業協同組合は昭和59年5月に刈谷川漁協とともに連合会へ加入して27漁協となり、平成23年(2011年)7月に退会して会員は26漁協に減っている。つまり27年ほど活動したあと解散した漁協である。地元で聞き取りをした釣り人の記録によれば、解散のいちばんの理由は組合員の高齢化で、2000年ごろまではいわなとやまめの放流が続いていたという。管轄していたのは柿崎川本流と猿毛川、米山寺川だった。 したがって遊漁券は存在せず、遊漁料を払う相手もいない。放流も監視も行われていないので、いま釣れる魚はすべて自然繁殖のものになる。 漁協が無くても、期間と全長の制限は新潟県漁業調整規則が県内全域に効く。第37条により、いわなとやまめは10月1日から翌年2月末日までが採捕禁止で、実質的に釣れるのは3月1日から9月30日まで。全長15センチ以下のいわなとやまめは一年を通して採捕できない。 同じ規則の第35条で、水中に電流を通じる漁法、瀬干漁法、ごろかけ漁法、潜水器を使う漁法、水中銃、火光を利用する漁法が禁止されている。ブラックバス類とブルーギルを釣った水域に放すことも、新潟県内水面漁場管理委員会指示で禁じられている。 放流に支えられていない川なので、小さい魚を持ち帰らないという一点が、そのまま来年その川に魚がいるかどうかを決める。米山寺川では、かつては足しげく通う人もいたが釣れなくなりもはや魚は絶滅したと言われている、と地元の人が語った記録がある。 法定河川10本のうち、大出口川、平等寺川、入河沢川、玄僧川、小河川の5本は、釣行記も遡行記録も1本も見つからなかったため河川ページを作っていない。大出口川の名で検索して出てくるのは、平成の名水百選に選ばれた大出口泉水と、その脇のキャンプ場の情報がほとんどである。 検索するときの注意として、柿崎の名は海側に強く引かれる。柿崎サーフ、柿崎漁港、上下浜のきす釣りと青物の情報が検索結果の大半を占めるので、渓流の情報を探すときは支流の名前で当たったほうが早い。上杉謙信の家臣の柿崎景家も同じ名前で出てくる。

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支流・沢6

釣行記39

釣り方:
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支流の釣行記30

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