
神野瀬川
広島県
庄原市高野町の猿政山(さるまさやま・標高1,267.7メートル)に源を発して西へ流れ、神之瀬湖(高暮ダム)に注いだあと南へ向きを変え、神之瀬峡の谷を下って布野川を合わせ、三次市三原町(みはらまち)で江の川に合わさる。流路延長76.9キロ、流域面積330.3平方キロ。江の川の大きな支流でありながら、三次市街の三川合流(江の川・馬洗川・西城川)があまりに知られているために名前の出てこない川である。 上流と下流で漢字の書き方が変わる。庄原市高野町の区間は「神野瀬川」、三次市君田町から下は「神之瀬川」と書かれることが多く、国の河川データも同じ一本の川を上流と下流で書き分けている。読みはどちらも「かんのせ」。ダム湖は地理院地図も県の河川整備計画も「神之瀬湖」と書き、谷は神之瀬峡、漁協は神之瀬川を名乗る。公のものでも表記が揃っていない。 渓流釣りの舞台は庄原市高野町の区間になる。新市、南、中門田、奥門田、和南原、上湯川といった集落のあいだを本流が流れ、そこへ小さな谷が次々に入る。江の川水系は日本海に注ぐので対象魚はヤマメで、瀬戸内側のアマゴではない。広島ではヤマメを「ヒラベ」と呼ぶ。本流は堰の下の深みや荒瀬の肩が狙いどころで、ルアーにも延べ竿のエサにも30センチを超えるヤマメが出ている。増水すると本流は竿が出せなくなるので、支流の大場所を拾って釣る人が多い。源流部は標高800メートル近くまで詰められ、ちょうちん釣りで入る人もいる。 支流にはゴギが住む。イワナの亜種で、背中の白い斑点が頭のてっぺんまで続くのが見分け方になる。県が神之瀬峡を自然環境保全地域に指定したときの理由書にも、下流へ行くほど水量を増してヤマメが生息し、支流にはゴギが生息する、と書かれている。広島県のゴギは江の川水系では在来とされ、標高600〜900メートルあたりの、夏でも水温が18度を超えない枝沢にいる。川幅1メートルほどの沢でも水があれば生きていける一方、皆伐や林道の造成で土砂が流れ込むと一気に姿を消す魚でもある。源流の木地山川では、ひとつの淵からイワナ、ゴギ、ヤマメ、アマゴが次々に釣れたという記録が残っている。 高暮ダムは1940年に着工して1949年に完成した発電用のダムで、堤の高さ69.4メートルは江の川水系で最も高い。土木学会の近代土木遺産に選ばれている。溜めた水はトンネルで下流の三次市君田町まで運ばれて発電に使われるため、ダムのすぐ下の本流は流域の広さのわりに水が少ない。雨のあとでも思ったほど増えていないことがある。工事は戦時中に進められ、動員された朝鮮人労働者の犠牲を悼む碑が湖のほとりに建てられている。 ダムから下の神之瀬峡は、深さおよそ300メートル、長さおよそ5キロのV字谷で、両岸が切り立ち、河床に岩盤と巨岩が横たわる。昔の河床の跡を示す岩棚が水面の数メートル上に残り、谷に沿う断層から鉱泉が湧いて、川底から泡が出たり水の色が変わったりする場所がある。支流には大小の滝がかかる。谷沿いの県道は1車線なので、入口の駐車場に車を置いて歩くようすすめられている。 高野町は広島県でも指折りの雪の多い土地で、春が遅い。雪が消えるまで川に入れない年がある。リンゴの産地としても知られる。高暮では中世から続く「やな漁」が残っていて、ここで獲れるアユは「神之瀬の鮎」として売り出されてきた。中国自動車道の三次インターから県道39号で君田へ入り、県道456号に折れると神之瀬峡沿いに高暮まで上がれる。上流域は松江自動車道の高野インターが近い。 注意として、「神野瀬」と「神之瀬」のどちらで検索するかで出てくるページが変わる。また高暮ダムは心霊スポットとして取り上げられることが多く、釣りの話がそちらに埋もれやすい。三次市君田町には同じ名前を冠したヤマメの釣り堀があり、これも検索では紛れる。
管轄漁協:神之瀬川漁業協同組合
支流・沢1
釣行記7
支流の釣行記3
動画1
源流ちょうちん釣り2020 神之瀬川りんりんニスモ
この川の釣りに使う道具広告
渓流釣りの定番と、この川で多い釣り方に合わせた道具です。


ヤマワ産業 ゴム張ガン玉(渓流用オモリ)


※ 上記のリンクは広告(アフィリエイト)を含みます。購入により当サイトが紹介料を受け取ることがあります。


