渓流手帖

粕毛川

秋田県

藤里町の中心部で藤琴川に合わさる支流で、白神山地の秋田県側の核心地域を源とする。流域には素波里ダムがあり、せき止めてできた素波里湖の周りが素波里国民休養地として整備されている。粕毛漁業協同組合の名前はこの川から来ていて、漁協の事務所は藤琴の白神山地森のえきの中にある。この川でいちばん大事な制度は禁漁区の広さになる。粕毛川は素波里ダムの上流にある十文字沢の渡河点から上流が、本流も支流もまとめて通年禁漁になる。遊漁規則の禁止区域の欄には、森林生態系保護地域(世界遺産地域の核心地域および緩衝地域)内の粕毛川本流および支流と、一取沢林道の十文字沢渡河点から上流の粕毛川本流および支流の二行が並び、どちらも通年禁止と書かれている。漁協も公式サイトで、粕毛川の素波里ダム上流に位置する十文字沢渡河点から上流には世界自然遺産に登録された核心地域があり、生態系維持の観点から全面禁漁となっていると明記している。漁業権の区域の条文には三蓋沢、南沢、上雁森の沢、雁森沢、善知鳥沢、小束又沢、上善助沢、冷水沢、東又沢、小屋場沢といった沢の名前が並ぶが、その多くはこの禁漁区の中に入っていて竿は出せない。漁業権の条文に名前があることと、その沢で釣れることは別だという点で、この水系はとくに注意がいる。秋田県側の核心地域は原則として立ち入りができない。青森県側が特定のルートに限って入れるのとは扱いが違う。竿を出せるのは十文字沢渡河点より下流ということになる。地元の書き手が藤里町粕毛川上流として釣行の記録を残していて、8月末から9月にかけての増水と濁りの中でイワナ25センチを上げた日や、条件が最高でミノーからスプーンに変えてから次々に食ってきた日が書かれている。同じ書き手は、白神山地の渓流をガイドしていた時期に素波里ダムの上流を案内し、同行者が餌釣りでイクラを流して56センチのイワナを掛けた日のことを書き残している。禁漁区の中のようすは、藤里町と白神山地世界遺産センター藤里館が行っているエコツアーの記録で読める。林道の終点から高低差およそ200メートルの急斜面を下りて川に降り、河原にテントを張って一泊し、支流の一ノ又沢を遡る行程で、参加した山岳会は、沢は渇水期にもかかわらず水の透明度が高く、イワナはいなかったものの魚影が頻繁に見られたと書いている。町のブログのほうは、大きな渕で泳いでいるのは岩魚でしょうか、禁漁区になっているこの場所の魚は人に釣られることを知らないせいか、よく姿を見せてくれます、と書いている。流域には森林鉄道の跡が残っている。二ツ井営林署の藤琴粕毛線は大正6年に開設され、藤琴から東又沢まで18.6キロあったが、昭和38年7月25日の豪雨で粕毛川が氾濫して壊滅的な被害を受け、そのまま廃止になった。この災害をきっかけに建設が進められたのが素波里ダムで、昭和45年に竣工している。上流部の河原には回収されなかったレールやワイヤーが今も落ちていて、エコツアーではそれを見て歩く。制度は粕毛漁業協同組合の内共第21号による。漁業権の魚種はあゆ、いわな、やまめ、うぐい。遊漁の期間はイワナとヤマメが4月1日から9月20日、アユが竿釣りと友釣りで7月1日から10月31日、投網と刺し網は8月10日から、がら掛けは9月1日から、ウグイは通年。ただし秋田県漁業調整規則の第37条が県内一律でヤマメを9月1日から翌年3月20日まで禁じているので、ヤマメが釣れるのは実際には4月1日から8月31日までで、9月20日まで竿を出せるのはイワナのほうになる。全長制限はアユ、イワナ、ヤマメとも15センチ。遊漁料はイワナとヤマメの竿釣りが日券1,000円、年券6,000円で、その場で漁場監視員に納めると500円が加算される。未就学の幼児と小中学生は無料。遊漁券はフィッシュパスで買えるほか、藤里町では白神山地森のえき(粕毛漁協の事務所)、桂田商店、だまっこ屋、レストハウス白神、藤里町商工会が、能代市二ツ井町ではファミリーマート秋田二ツ井店、ローソン二ツ井町店、自然倶楽部、つりけん、畠山商店、米川商店、三国商事きみまち阪給油所が扱う。秋田県内水面漁業協同組合連合会の県内共通遊漁券を使うと、内共第13号と第22号を除く内共第1号から第25号までの全漁場でイワナとヤマメが年15,000円になる。サクラマスはこの漁業権ではなく米代川水系サクラマス協議会の内共第22号の側で扱う。オオクチバスやブラウントラウトなどの外来魚は再放流が禁止されている。禁止区域として、藤琴川と米代川の合流点から高岩橋までの区域が9月15日から10月15日まで遊漁禁止になる。藤琴川と粕毛川の全域で網漁法が通年禁止で、同じ区域では川底をかくはんすることも禁じられている。解禁日には経緯がある。秋田県の渓流はもともと県の漁業調整規則にそろえて3月21日解禁だったが、平成28年に多くの漁協が4月1日へ移した。粕毛漁協は平成28年10月25日に3月21日から4月1日へ改定している。地元の書き手が改定の年月日まで記録を残していて、それ以前の記事に出てくる3月21日解禁は現在のこの水系には当てはまらない。流域はツキノワグマの生息域にあたる。粕毛漁協は公式サイトに、2017年に藤琴川支流の小比内川上流の西股沢でクマの人身事故が発生していると明記している。2020年10月には藤里町藤琴の町道でクマに襲われた女性が亡くなった。秋田県も、渓の中は携帯電話の電波が届かず、渓流の音でクマとの遭遇がお互いに分かりにくいので、それらのリスクに対応できる知識と技術と装備が必要だと書いている。

管轄漁協:粕毛漁業協同組合

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支流・沢1

釣行記21

釣り方:
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支流の釣行記4

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