渓流手帖

桑取川

新潟県

上越市の西部、桑取谷を流れて有間川地区で日本海に注ぐ二級水系の本流。二級河川の区間は延長15,752メートル。矢代山地の重倉山(1,029メートル)と中ノ岳(1,205メートル)の北面を源にして、ほぼまっすぐ北へ下る。西は名立川、東は関川水系の正善寺川にはさまれた、単独の流域を持つ川である。 河口の地区名から、地元では桑取川を有間川と呼ぶことがある。国道8号が渡る橋の名も有間川大橋で、漁業権の下流端はこの橋である。流域一帯は環境省の重要里地里山「桑取谷(くわどりたに)」に選ばれており、雪国の民俗文化と炭焼きの伝統が残る中山間地として知られる。 谷のいちばん奥、横畑集落のあたりで川はふたつに分かれる。右俣がそのまま桑取川の本流で重倉山と中ノ岳のあいだの稜線に源を持ち、左俣は西谷内川と名を変えて籠町南葉山の方向へ突き上げる。釣りの中心はこの二俣の周辺から上流で、下流部は雑魚の川になる。 魚はいわなが主体で、やまめも交じる。2001年に現地で話を聞いた釣り人の記録によれば、漁協は下流域であゆを放流しているが、やまめといわなは放流していない。中部の渓流をまとめた釣り人の河川一覧も、桑取川については「下流は雑魚、上流域で期待できる。天然ヤマメ・イワナ」と書いている。放流に頼らない川なので、小さい魚を持ち帰らない配慮がそのまま翌年の釣果になる。 釣果の記録はいずれも数釣りの川であることを示している。1999年のゴールデンウィークには、村営温泉わきの橋から上流を釣り上がって堰堤下の落ち込みでいわな4匹、川虫が豊富な場所の魚は丸々太っていたと報告されている。川虫を採るタモにかじかが入るほど、かじかも多い。2001年5月には5人のグループが左俣と右俣と真ん中の沢に分かれて入り、各自5匹から10匹、20センチから28センチという釣果を出している。2010年4月には、右岸の樹木が張り出した2坪ほどの深みから25センチ前後のいわなが4尾続けて出て、同じ日に35センチも上がった。 注意したいのは雪代である。4月上旬から5月上旬は水が太く、渡渉が危険になる。2001年5月初めに入った釣り人は「水が太くてとても釣りは無理」と書いて竿を出さずに引き返した。上流で雪崩が起きて流れがせき止められ、それが崩れて急に増水することもある。2010年4月には2時間釣り上がったところで突然濁って水位が上がり、1時間ほど高台で様子を見てから釣りを再開した記録がある。流れが濁り始めたら、迷わず岸に上がったほうがよい。 夏はダム下で水が枯れることがあると地元では言われている。 渓流以外では、秋にさけが遡上して投網によるさけ漁が行われ、川沿いに鮭採捕所がある。春先のいさざ(シロウオ)でも知られていて、時期になると橋のたもとに採れたてのいさざを売る店が出る。 漁業権は内共第17号のひとつで、上越市有間川地内の国道8号有間川大橋の下流端から上流の桑取川とその支川が漁場になる。免許を受けているのは桑取川漁業協同組合(上越市有間川661/025-546-2217)。 この漁場でいちばん大きな特徴は、対象魚種があゆ・うぐい・かじかの3種しかないことである。新潟県の第五種共同漁業権は内共第1号から第22号まであるが、いわなとやまめが対象魚種に入っていない漁場は桑取川だけで、県が公表している対象魚種一覧の欄外にも「対象魚種ではないため一般の方の採捕可能」と注記されている。つまり桑取川のいわなとやまめは、漁協の遊漁承認の対象になっていない。 ただし遊漁規則第10条の県内共通遊漁承認証(新潟県内水面漁業協同組合連合会・年13,200円)は、表アに桑取川の内共第17号を含めたうえで、いわな・やまめの竿釣を県下一円で認める形になっている。地元の釣り人はこの共通承認証を持って入っており、2020年3月1日に入渓した山岳会の記録にも、前月に共通承認証を入手して解禁日を迎えたと書かれている。書きぶりが食い違うところなので、入る前に組合に確かめるのが確実である。 渓流魚の期間と全長は、漁業権とは別に新潟県漁業調整規則第37条が県内全域に効く。いわなとやまめは10月1日から翌年2月末日までが採捕禁止で、実質的な解禁期間は3月1日から9月30日まで。全長15センチ以下のいわな・やまめは一年を通して採捕できない。この規則は漁業権の有無と関係なく適用されるので、桑取川でも守る必要がある。 あゆ・うぐいの遊漁料は竿釣が年2,700円、投網が年3,500円、かじかのカゴが年3,500円(いずれも税込)。日券の設定は無く、年券だけである。川で漁場監視員に納めるときは500円が加算される。未就学の幼児と小学生は無料、中学生と肢体不自由者は半額。販売所は田口屋商店(上越市有間川609-1)と長沼商店(上越市西横山236-2)の2か所。つりチケやFISHPASSのようなオンライン販売は無い。 あゆの遊漁期間は6月16日から11月30日までの間で組合が定めて公表する期間(10月1日から10月7日までを除く)で、公表は組合と田口屋商店・長沼商店への掲示で行われる。うぐいは通年、かじかは通年だが4月11日から4月20日までを除く。漁具は竿釣1本、投網は直径3.5メートル以内を1ヶ統、カゴは2個以内。 通年の禁止区域は無い。県の漁場図にも赤い除外線は引かれておらず、新潟県内水面漁連の遊漁のしおりでも桑取川の禁止区域欄は「なし」となっている。 ただし遊漁規則第7条4項に、西戸野大橋から有間川橋に至る区域の川底を撹はんしてはならない、という条文がある。あゆの産卵床を守るための規定で、漁場図にも県の一覧にも載っていない。 支流には中ノ俣川(9,520メートル)、綱子川(7,500メートル)、土口川(1,400メートル)、ビンゴ沢(300メートル)、大マセリ川(300メートル)がある。いずれも漁業権の区域には入っているが、釣行記も遡行記録も見つからないため河川ページは作っていない。中ノ俣川は中ノ俣集落を通る谷で、集落と棚田の記録は多いが釣りの記録が出てこない。 川の名前で紛れやすいものがふたつある。有間川は埼玉県の入間川水系にも同じ名前の川がある。中ノ俣川は奥只見、朝日連峰の三面川水系、岐阜県の高原川水系、富山県の黒部五郎岳の下にも同じ名前があり、検索するとそちらで埋まる。

管轄漁協:桑取川漁業協同組合

この川をシェア:𝕏 でシェアLINEで送る

支流・沢1

釣行記12

釣り方:

支流の釣行記4

  • 桑取川水系西谷内川(頸城の山 特選コース)
    アスターク同人
  • 矢代・桑取川水系西谷内川~矢代山地主脈
    アスターク同人
    エサ釣り西谷内川

この川の釣りに使う道具広告

渓流釣りの定番と、この川で多い釣り方に合わせた道具です。

※ 上記のリンクは広告(アフィリエイト)を含みます。購入により当サイトが紹介料を受け取ることがあります。