渓流手帖

松川

秋田県

横手市山内大松川を流れ、落合で黒沢川に合わさる支流。中流に大松川ダムがあり、そのダム湖はみたけ湖と呼ばれる。1975年に着工して1998年に竣工した多目的ダムで、発電も行っている。ダム湖の周りは公園になっていてキャンプ場と駐車場があり、芝桜が植えられている。釣り場としては、ダム湖とその上流の渓流の二段構えになる。ダム湖は大型のブラウントラウトが釣れる場所として知られ、イワナとヤマメも上がる。カヌーやミニボートを浮かべて釣る人もいる。秋田市から通う書き手は、ブラウントラウトが最初に殖えた支流が大松川だ、と書いていて、この水系のブラウンの出発点として語られることが多い。この見立てには裏づけがある。爬虫類学者の加藤英明が2022年に現地を訪ねた記録によれば、ブラウントラウトは今から80年以上前に持ち込まれたと言われ、大松川ダムができる前に存在した集落で養殖が試みられていた。飼育場所はダム湖の西側にあたる大倉沢の支流の上流で、そこから逃げ出したものが野外で繁殖して今に至る、という説明になっている。ダムが完成したのは1999年3月で、集落はダムの底に沈んだ。ダムより上流は渓流になる。出張の帰りに立ち寄った書き手は、大松川ダム上流に何度か釣行したことがある、いたる所に熊出没注意の看板がある、気温24度で水温18度、減水はあるが濁りはない日に、小さい魚が多くて針がかりしないなか良いサイズのイワナが釣れ、堰堤で18センチのヤマメが釣れた、と記録している。日釣り券は横手市内の釣具屋で買った、とも書いている。ダムができる前を知る書き手もいる。雄物川水系の渓流を河川別に紹介している個人サイトの主は、自分が入渓したのはダム工事の記憶もない1975年より前で、あちらの沢こちらの沢と早朝5時ごろから枝沢を渡り歩いた記憶がある、水量が少なく堰堤の記憶もなく釣果も良い沢だった、と書いたうえで、ダムの出現によって上流域の魚の生息環境は少なくなっただろうし、堰堤の数にも驚かされる、と付け加えている。ダム上流の枝沢は数が多い。条文が名指ししているのは金堀沢、赤倉沢、赤水沢、大倉沢、桧ノ沢、矢萩沢の6本で、この川の枝沢としては最も密に名前が挙がっている区間になる。ほかに黒森沢、形部沢、上屋敷沢、鍋越沢、竹の子沢、小倉沢、手前沢といった沢が流れ込むが、これらは条文に出てこない。山内大松川の御岳山の南面にかかる赤水沢には白滝観音がある。なお大松川という地名の読みはサンナイオオマツカワで、ダムの名前はおおまつがわダムと読ませる。ダム軸の上流300メートルと下流300メートルは、漁業権の漁場区域から除外されている。遊漁規則には書かれていないが、漁協が公式サイトに載せている漁場案内図には、赤い線と赤い文字で渓流釣り区間と書き込みがあり、横手川と黒沢川の合流点より上流、と説明が添えてある。合流点は相野々にあたる。規則の条文は区域を区切らずイワナとヤマメの期間だけを定めているので、渓流としてどこから上を釣るのかは、この図にしか書かれていない。制度は横手川漁業協同組合の内共第5号による。漁業権の魚種はあゆ、いわな、やまめ、こい、ふな、やつめ、うぐい。遊漁の期間はイワナとヤマメが4月1日から9月20日、アユが7月1日から10月31日、ヤツメが3月1日から11月30日、コイとフナとウグイが1月1日から12月31日で、アユとヤツメとコイ類は組合が定めて公表する期間に限られる。ただし秋田県漁業調整規則の第37条が県内一律でヤマメを9月1日から翌年3月20日まで禁じているので、ヤマメが釣れるのは実際には4月1日から8月31日までで、9月20日まで竿を出せるのはイワナのほうになる。全長制限はイワナとヤマメが15センチ以下、コイとフナが15センチ以下、ヤツメが30センチ以下。漁具漁法は手釣りと竿釣りに限られ、アユのガラガケとひっかけは禁止されている。通年の禁止区域は頭首工と揚水機場の4か所だけで、新旦那堰頭首工、金沢中野揚水機場、新上堰頭首工、新一の堰頭首工の、それぞれ上流80メートルから下流80メートルまでが1年を通して禁止になる。前の3つは後三年から金沢にかけての横手川中流部、新一の堰頭首工は横手市街にある。外来魚の再放流は禁止で、オオクチバス、コクチバス、ブルーギルに加えてブラウントラウトが名指しされている。遊漁料はイワナとヤマメが日券500円、年券3,000円で、アユが日券1,000円、年券7,000円、コイ・フナ・ウグイ・ヤツメが日券500円、年券3,000円。年券3,000円は秋田県の漁協のなかでも安いほうになる。高校生以下と身体障害者手帳3級以上の人は無料。現場で納めるときの加算額は、遊漁規則がアユ1,000円その他500円と書くのに対し、漁協公式のページはイワナ・ヤマメを300円加算と書いていて食い違うので、買うときに確かめたほうがよい。売り場は9か所で、横手市街が漁協事務所と鶴田徳松と横手釣り具センター、山内地区が土場商店、三ツ矢商店、木村酒店、小原酒店、ほかにセブンイレブン道の駅十文字店とつり具の上州屋大曲店。フィッシュパスのオンラインでも買える。山内地区の4軒はいずれも商店と酒店で、大松川ダムの入口にあたるのが小原酒店になる。相野々温泉の鶴ヶ池荘も、川から車で5分という立地で日釣り券を売っていると自分のブログに書いている。秋田県内水面漁業協同組合連合会の県内共通遊漁券を使うと、内共第13号と第22号を除く内共第1号から第25号までの全漁場でイワナとヤマメが年15,000円になる。秋田県の第五種共同漁業権は、他県のように支流及び小支流という包括的な書き方をせず、漁場の区域を1本ずつ名指しで並べる。内共第5号は24の区間を並べていて、名指しに出てこない川はそのまま漁業権の外になる。地図に名前のある沢はこの流域だけで90本を超えるが、条文が挙げるのは24本だけなので、実際には流域の大半が漁業権の外にあることになる。名指しの外にある川では第五種共同漁業権が設定されていないので遊漁券は要らないが、秋田県漁業調整規則の全県一律の規定は効く。イワナは15センチ以下が周年禁止で、15センチを超えるものも9月21日から翌年3月20日まで禁止。ヤマメは15センチ以下が周年禁止、15センチ超が9月1日から翌年3月20日まで禁止。漁協の管理する川が4月1日解禁なのに対して、漁業権のない川は県規則の3月21日から竿を出せる。サケは水産資源保護法で全国どこでも周年禁止になる。

管轄漁協:横手川漁業協同組合

この川をシェア:𝕏 でシェアLINEで送る

釣行記3

釣り方:

この川の釣りに使う道具広告

渓流釣りの定番と、この川で多い釣り方に合わせた道具です。

※ 上記のリンクは広告(アフィリエイト)を含みます。購入により当サイトが紹介料を受け取ることがあります。