渓流手帖

大川

宮城県

岩手県一関市室根町の太田山(標高685.6メートル)に源を発し、田茂木川を合わせて宮城県に入り、気仙沼市を東へ流れて気仙沼湾に注ぐ。流域面積およそ168平方キロ、流路延長およそ29キロ。二級河川の流域規模では七北田川に次いで宮城県で二番目に大きい。県内の区間は11.9キロで、途中で廿一川、金成沢川、八瀬川、松川、神山川を合わせる。川幅は中流で50メートル、下流で70メートルほど。対象はヤマメとイワナで、サクラマスも遡る。三陸の沿岸部を流れるため水温が高めに推移し、三月の早い時期から竿が出せる川として知られる。北上山地の東側は積雪がほとんどなく、内陸の渓が雪に埋もれている時期でも入渓できる。上流部は小さな落ち込みと淵が続き、木がかぶさる場所が多いので短い竿が扱いやすい。中流から下は汽水域で、潮が動く時合いに戻りヤマメ、地元でヒカリと呼ばれる銀化した魚が釣れる。二十センチを超える良型が出るのはこの区間になる。もぐり橋の近く、旧駐在所下から下流の堰堤までの区間には、以前キャッチアンドリリース専用の区域が設けられていた。地元のボランティア団体が運営していたもので、平成二十二年をもって終了している。管理釣り場の紹介サイトには今も現役の区域として載っているので注意したい。水道下堰堤の上下流それぞれ二十五メートルは一年を通して竿を出せない。またその下流から館山大橋の上流端までは、九月のひと月だけ竿を出せない期間がある。秋にはサケが遡上し、ふ化場で採卵が行われる。震災のあと稚魚の放流が十分にできなかった年があったが、この川の回帰数は例年と変わらなかった。すぐ南の津谷川が大きく落ち込んだのとは対照的で、河口部の工事の違いではないかと地元の書き手が記している。ヤマセミとカワセミがほぼ同じ場所に棲む珍しい川でもある。同じ名前の川が全国に多い。新潟県に三本、栃木県の那珂川水系、福島県の会津にもあるので、検索するときは気仙沼か室根を足したい。

管轄漁協:気仙沼大川漁業協同組合

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