
和田川
富山県
岐阜県境の大田和峠を水源にして北へ下り、途中で有峰湖をつくってから、富山市の和田で常願寺川の左岸に入る流程およそ20キロの川。両岸の傾斜がきつく、常願寺川水系でもとりわけ険しい流れである。 本流に沿って有峰林道が走っているので、一見どこからでも入れそうに見える。ところが道と川の高度差が大きく傾斜も急で、降りられる場所はなかなか見つからない。和田第二発電所までは林道からの降り口が無いため、亀谷温泉の下から橋を渡って左岸に移り、行き止まりまで車を進めてから釣り上がることになる。先に入ってしまえば他の釣り人に出会うことはほとんどない。第二発電所から第一発電所までは堰堤が続いて釣りにならないが、第一発電所から上流は渓谷美が素晴らしく、この川の核心になる。 釣れるのはイワナである。亀谷温泉の下に大きな堰堤があって本流からの遡上が止まっているので、上にいるのはすべて居付きの天然魚ということになる。下流の平坦な渓相でもイワナが出るのがこの川の特徴で、時に尺物も混じる。雪解けのころの魚体が美しいことで知られ、十年以上にわたって同じ渓に通い、イワナを撮り続けている人がいる。 上流の有峰湖は、発電用の貯水池として昭和35年に完成した人造湖で、湖底には有峰の集落が沈んでいる。高さ140メートルのダムで、ここの水を使う発電所は九か所ある。湖にはイワナとニジマス、ワカサギがいて、近年はブラックバスも増えた。60センチ級のイワナを見たという話も絶えない。湖のある有峰地区は電力会社の社有地で、遊泳やボートなど湖面に入ることは禁止されている。湖岸での釣りも管理者は原則として認めていないとされ、過去に水難事故も起きている。竿を出すなら現地の掲示に従いたい。水面まで降りられる地点がそもそも少なく、近いところでも二百メートル以上の上り下りになる。出かける前に現地の掲示と管理者の案内を必ず確かめたい。 湖に流れ込む渓は別で、西谷や東谷の出合まわりには釣りの記録が残っている。とくに東谷の出合には岐阜県の金木戸川から山を越えて導かれた水の放水口があり、シーズン初めの一等地として知られてきた。 有峰林道は有料の山岳道路で、ゲートの開く時間が決まっていて冬は閉ざされる。熊の出没も日常的なので、入る前に通行の状況を確かめること。 同じ名前の川の注意。長野県の霧ヶ峰高原にも和田川があり、つり人の記事などで出てくるのはそちらのことが多い。さらに富山県内の砺波市にも庄川水系の和田川があって、和田川ダムの名前で検索に出る。有峰か常願寺川を足して探したい。
支流・沢1
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