
野辺地川
青森県
野辺地町と東北町の境にそびえる烏帽子岳(えぼしだけ・719メートル)に源を発し、陸奥湾の支湾である野辺地湾に注ぐ二級河川。流路延長はおよそ17キロ、流域面積はおよそ61平方キロ。上流部は清水目川(しみずめがわ)と呼ばれ、東へ流れたあと国道4号と交わるあたりで北へ向きを変え、野辺地町の市街地を貫いて海に出る。本流と支流に沿った低地には水田が広がり、川の水は古くから灌漑に使われてきた。 釣りの中心はイワナとヤマメで、本流では上流側ほど魚影が濃くなる。下流から中流の街なかではアユの友釣りができ、町のまんなかで竿が出せる手軽さがこの川の持ち味になっている。源流域は藪が深く、水量も多くないので、数を出すより一尾の型を楽しむ川だと地元の釣り人は書いている。 春はシロウオ(素魚)の川である。ハゼの仲間の体長5センチほどの透明な小魚が産卵のために海から上り、河口に梁(やな)を掛けて獲る。四月の中ごろに梁を立て、六月のはじめに解体するのが近年の流れで、獲れたシロウオは組合の事務所や町内の飲食店に回る。踊り食いや卵とじで食べる、青森の春の風物詩である。梁が立っているあいだサクラマスは川へ上れず河口と港に足止めされるので、海側の釣り人はこの時期を狙う。梁が外れると川へ上がり、六十センチを超える個体が上がった年もある。 下流部にはサケのふ化場があり、秋には捕獲用の梁が掛けられる。サケは全国どこでも釣ることができない魚なので、遡上していても竿を出してはいけない。 支流は、北側から入る二本木川、西側から入る枇杷野川(びわのがわ)、上流部の添ノ沢(そえのさわ)、そして与田川。このほか上流で湯沢・北ノ股沢・心棒沢が合わさる。いずれも釣りの記録が見当たらないため、このサイトでは個別のページを作っていない。 河口の東岸には常夜燈が建つ。文政10年(1827年)の建立とされ、夜に入港する船の目印として旧暦三月十日から十月十日までの毎夜、火が灯された。江戸期の野辺地は南部藩の商港で、秋田の尾去沢鉱山から出た銅や南部領の米や海産物を積み出す港だった。河口東側の常夜燈公園には船の長さが32メートルある北前船の復元船が置かれている。 検索するときの注意。野辺地はホタテと海釣りの町なので、「野辺地 釣り」で引くと漁港・堤防・陸奥湾の記事に埋もれる。川の話を探すなら川の名前そのもので引いたほうが早い。 野辺地町には、野辺地川とは別に海へ直接注ぐ小さな川がいくつか流れている。千草橋川、有戸川、堀差川がそれで、どれも漁業権が設定されていない。地元で育った釣り人は、この三本を自分のイワナ・ヤマメの釣り場として挙げ、川が小さいぶん尺ものは年に何本かしか出ないが、数は野辺地川の上流域よりコンスタントに上がると書いている。藪が深いので、短い仕掛けで足元を探る提灯釣りが向く。
管轄漁協:野辺地川漁業協同組合
支流・沢2
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