渓流手帖

雄物川

秋田県

湯沢市の南端、山形県境に近い大仙山のあたりを源に北へ流れ、横手盆地を貫いて秋田市で日本海に注ぐ一級河川。流路延長133キロ、流域面積4,710平方キロで秋田県では最大の川になる。ここで扱うのは湯沢市と雄勝郡羽後町を流れる上流部で、内共第1号の漁場は南沢の起点から下流、羽後町と横手市の行政境界までを本流の区域としている。上流部の雄物川は、大河の名前から想像するような川ではない。国道13号に沿った盆地の細い流れで、両岸から山ノ田沢川、松根川、南沢川、十分一沢川、湯の沢川、矢込沢、大鍋立沢、小鍋立沢、槻沢川、黒森川、寺田川、高松川、白子川、戸沢川、役内川、西馬音内川と小さな川が次々に入る。多摩地区から通っていたフライフィッシャーは、この一帯を、山の田沢川、松根川、南沢川、十分一沢川など小さな川がたくさんあって探索するのが楽しいエリアだ、と書いている。同じ書き手が繰り返し書いているのが水の少なさで、山形県側に比べると水が少ない、という感想が何度も出てくる。いちばん上流の区間は雄勝川という別の名前で呼ばれる。地図の上でも湯沢市上院内のあたりから上は雄勝川になっていて、内共第1号の条文はそこには触れず、南沢を起点に雄物川本流と書いている。北陸から東北を釣り歩いた書き手はこの雄勝川について、水量と渓相は良いのだが国道13号に沿っているせいか魚影が薄い、夏の夕方の1回だけの試釣なので言い切るのは早計かもしれないが今後の見込みも悪いのではないか、と辛口の評を残している。漁協が配っている河川マップには、下流から泉沢橋、岩館橋、万石橋、新万石橋、桂川橋、田用橋、あたご橋、中の橋と橋の名前が並び、駐車できる場所が台数つきで書き込まれている。院内には雄物川源流の看板が立ち、その先に十分の一橋がある。休憩に使えるのは、トイレと60台の駐車場があり400円で入浴もできるほっと館と、無料貸自転車を置く院内銀山異人館。宿では横堀駅近くの小町荘が素泊まりで釣り人に使われている。サクラマスは下流の本荘や秋田市側の話になりがちだが、この区間も内共第13号の漁場に入っていて、別券で狙うことができる。漁協は湯沢市秋ノ宮字桑沢18-3にあり、養魚場と釣り堀と食事処を兼ねたイワナの里が隣に建つ。この漁協は合併を重ねてできた。2019年4月1日に役内川を管理していた雄勝漁協と雄物川上流漁協が一緒になって役内・雄物川漁業協同組合が発足し、さらに2026年1月1日に県南漁協と合併して、準組合員を含めて600名規模の広域漁協になった。組合長は、第1号漁場と第4号漁場が合流したことで遊漁者にとっても釣り場が広がった、と挨拶に書いている。第4号漁場は横手市の雄物川町、大森町、平鹿町、十文字町と大仙市にあたる区域で、規則の中身は第1号とは別に定められている。放流の量が多い漁協として知られている。フィッシュパスの取材によると、役内川と雄物川上流にヤマメを毎年7万5000匹放流していて、秋田県の漁協の放流実績が平均1万匹であることを考えると桁が違う。漁協自身も2020年の解禁の告知でヤマメ6万5千匹放流と書いている。2020年9月26日にはイワナ174キロの成魚放流を役内川の7か所と西馬音内川の1か所で行い、地点は福寿荘裏、温泉病院裏、根木橋、岳山砕石、嶽ノ下上橋、嶽ノ下下橋、三平橋、角堂橋と公表されている。制度は役内・雄物川漁業協同組合の内共第1号による。漁業権の魚種はあゆ、いわな、やまめ、うぐい、かじか。遊漁の期間はイワナ、ヤマメ、ウグイが4月1日から9月20日、カジカが6月1日から9月20日、アユが7月1日から10月31日。ただし秋田県漁業調整規則の第37条が県内一律でヤマメを9月1日から翌年3月20日まで禁じているので、ヤマメが釣れるのは実際には4月1日から8月31日までで、9月20日まで竿を出せるのはイワナのほうになる。全長制限はイワナとヤマメが15センチ以下。この漁場でいちばん変わっているのが、9月1日から9月20日までの間は全長30センチ以上のイワナとヤマメを再放流しなければならない、という規定になる。15センチ以下が周年禁止なので、シーズン最後の20日間に持ち帰れるのは15センチから30センチまでの魚だけということになる。大きい魚を守る方向の上限リリースは全国でも数が少ない。あわせて尾数制限があり、イワナ20尾、ヤマメ20尾を1人1日あたり超えて持っていてはいけない。漁具は釣りに限られ、高松川の合流点より上流ではガラガケとひっかけが禁止、ヤスはカジカにだけ使える。全魚種の通年禁止区域は4か所で、役内川の雄勝中学校前堰堤の上流10メートルから下流25メートルまで、湯沢市の山田堰の上流100メートルから下流100メートル、同じく湯沢統合堰の上下100メートル、羽後町の大久保堰の上下100メートルになる。オオクチバス、コクチバス、ブラウントラウト、ブルーギルの再放流は禁止されている。遊漁料はイワナ・ヤマメ・ウグイ・カジカが日券1,500円、年券5,000円、アユが日券2,000円、年券8,000円。小中学生と高校生、身体障害者手帳3級以上の人は無料になる。現場で漁場監視員に納めるとアユは2,000円、その他の魚種は1,500円が日券に加算される。売り場は15か所あり、秋ノ宮側がイワナの里、おなじみ荘、秋ノ宮山荘、ラ・フォーレ栗駒、雄勝側がファミリーマート雄勝インター店、ローソン雄勝店、セブンイレブン雄勝こまちインター店、鮎乃家、羽後町の高橋魚店、横手市側がセブンイレブン道の駅十文字店、三國レストラン、スーパーセンタートラスト、ファミリーマート横手雄物川店。宮城県大崎市のセブンイレブン岩出山店も販売所になっていて、鬼首峠を越えて宮城側から入る釣り人を見込んでいる。フィッシュパスのオンラインでも買える。秋田県内水面漁業協同組合連合会の県内共通遊漁券を使うと、内共第13号と第22号を除く内共第1号から第25号までの全漁場でイワナとヤマメが年15,000円になる。サクラマスだけは別の漁業権になる。内共第13号を雄物川水系サクラマス協議会が持っていて、この漁場の区域にそのまま重なる。期間は4月1日から8月31日、漁法は手釣りと竿釣りに限られ、遊漁料は日券3,500円、3日券8,000円、年券15,000円。小中学生と身体障害者手帳3級以上は無料、高校生は半額になる。この券での通年禁止区域は、雄勝中学校前堰堤の上流10メートルから下流25メートル、山田五ヶ村堰土地改良区堰堤の上下100メートル、湯沢総合堰頭首工の上下100メートル、大久保頭首工の上下100メートル、それに山城堰頭首工から下流300メートルまでの5か所になる。

管轄漁協:役内・雄物川漁業協同組合

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